仕事がうまくいっているASD(旧アスペルガー症候群)のある方の特徴とは

ASD(自閉症スペクトラム・旧アスペルガー症候群)のある大人の方と会うこともよくあるが、社会の中でうまく活躍されている方も多くいる。

そんな方の特徴ってなんだろうなと考えてきたことをまとめてみたい。
※例によって、個人的見解です。

仕事で活躍しているASD(旧アスペルガー症候群)の方の特徴と、想定される道のり

一般論になるが、仕事上で活躍している方は、仕事に適応する→仕事で活躍するというステップを踏む。まずは仕事に適応するというステージで仕事や組織に慣れる段階を経てから、仕事で活躍する流れになる。この仕事で適応するというのも、ASDのある方はかなり大きなテーマであるが、今回は扱わない。今回は、その次の仕事で活躍するためには?を考える。

下図はキャリアを考える上でよく使われる図である。

キャリアを考える上でよく使われる図

3つの円がそれぞれMust、Can、Wantを表す。

○自分がしなければならない事=社会・企業から求められている事(Must)
○自分ができる事(Can)
○自分がやりたい事(Want)

の3つが重なり合う場所が、その人にとって適した仕事であるとされる。
実際に、私が会ったことのある活躍をしている方々はこの3つが重なっている領域を仕事にしていることが多いように思う。

では、ASDのある方に当てはめるとどうなるのか?

ASD(旧アスペルガー症候群)のある方に当てはまる特徴とは?

ASDのある方の特徴のひとつとして、こだわりの強さがある。そのため、Wantを追求する傾向があるように思われる。Wantの追求はとても大切だし、人生を豊かにするので、どんどんやるといいと思う。ただ、仕事として、お金を稼ぐことを考えると、Wantだけでは不足している。純粋にやりたいことだけやっていたとしたら、報酬や給料が支払われない。

CAN MUST WANT

※ASDのある方に当てはまる特徴のひとつ

そのため、ASDのある方もやはり、Must、Can、Wantが重なっている領域を目指すといいだろう。なお、ASDのある方は能力に凸凹があるケースが多いのでCanに加え、Can’tも合わせて考えておくと効果的なことが多い。

その上で、Want、Can、Mustの全てが重なる領域で仕事をするために、大きく2つのルートがある。

(1)Wantを一時的に抑え、Canを考えて就職する

やりたいことは一時的に抑えて、現実的に就職できるところに就職する。就職して仕事に慣れてから、少しずつ自分がしたいことを仕事内で作っていくパターン。
いきなりWantを仕事にするのが難しい場合に有効になる。就職後にいかにWantを意図的に作れるかで、仕事の満足度が変わってくる。

例えば、ある企業に清掃業務担当として採用された方で、同じ時間内でよりキレイにすることに楽しみを覚えた方がいる。自分なりに工夫をして清掃場所をキレイにするので、評価はとても高い。本人も毎日の仕事に喜びを感じており充実した生活を送っている。

(2)WantとCanの重なり合う領域を増やしてから、それを仕事にしていく

やりたいことを分析し、自分ができそう&社会的ニーズがあるものを探す。それらについて、当初はお金にならなくても経験を積むことができる。ある程度の能力を身につけられれば、関連する事業を行う企業に就職することが可能になる。また、個人事業を行ったり、起業をしたりすることもできる。
やりたいこと&できることなので、就職した際に成果が出やすく、その結果働きやすい場合が多い。社会的ニーズがあるものであれば、お金になりやすいので報酬や給料という形で返ってくる。

例えば、ある方はパズルが大好きであったが、それだけではCanやMustに繋がらなかった。ある時、数字をあれこれ操作することが好きであることに気がつき、経理職を希望し、経理系の資格を複数取得。それを元に、ある大企業の経理職として採用され、現場で楽しそうに働いている。

 

活躍しているASDのある方は、(1)であれ、(2)であれ、どちらにせよ最終的には、Want、Can、Mustの全てが重なる領域で仕事をしているように感じる。それが私の思う「特徴」だ。
ASD(旧アスペルガー症候群)のある方が、自分がやりたい領域のことを仕事にして、活躍できるように願っています。

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かめたーとる

【かめたーとる】
ADHD(注意・欠陥多動性障害)の診断を受けた当事者。大学卒業後、金融機関を経てベンチャー企業に出向。そこで不適応を起こして逃げるようにフリーランスに。小・中学生対象の塾講師を経て、現在は様々な大学でキャリア教育、就職活動支援の講師をメインに仕事を行なっている。特性上、数々の失敗体験、不適応体験を持つ。発達障害者の就労、ADHDの特性の記事などを担当するはずが、思いつくままに記事を書いている。

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