大切なのは「やりたい」を探し続けること

企業・団体名:ブルーフォグ・ソリューション株式会社
http://bluefog-solution.com/

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「自分の好きなものや、やりたいことを一生懸命探し続けてほしい」そう語ってくださったのは、ブルーフォグ・ソリューション株式会社。ビジネスコンサルティングや戦略構築をベースとした「ソリューション事業」、誰でも気軽にIT技術を学習できる「IT教育事業」を展開しています。2014年度、発達障害のある方を対象にした3か月のIT訓練(京都府立京都高等技術専門校・株式会社エンカレッジとの協働事業)も実施しました。どのような想いでインターン生を受入れ、こうした事業を展開しているのでしょうか。プロデューサーの吉田光広さん、プログラマーの有馬丞さんにお話をうかがいました。

得意分野を買ってくれる会社もたくさんあるはず

Q.インターン受入れに取り組むきっかけや目的はなんですか?

吉田:インターン受入れを始めたのは「社内に新しい風を入れたい」という想いからです。最初は、発達障害のない大学生を2名受入れ、2014年より発達障害のある方を受入れ始めました。新しい人が入れば、その人を気遣おうとしたり、一緒に昼食を取ろうとしたり、社員にもいつもと違う動きが現れます。和やかな空気も、緊張感も生まれる。それは、その人がくれた特別な空間だと思うんです。「発達障害」という漢字四文字は一見難解で、最初は「どんな人が来るのだろうか」という不安もありました。しかし、就労移行支援事業所エンカレッジ京都で単発のIT講座を開いた際、発達障害のある方々は物事に熱意を持って取り組む誠実な方たちとわかりました。たとえ一見難解な言葉でも先入観に引きずられず、まずその本質を確かめるべきだという考えを持ちました。難しい漢字にだまされないようにしないといけませんね。

Q.インターン生の仕事内容はなんですか?また、業務に取り組むインターン生を見てどんな印象を受けましたか?

吉田:受入れたインターン生には、主にプログラミングの業務に取り組んでもらいました。案件の中での開発やデバッグ(※1)、サーバーの構築などです。来てくれたのは、大学4年生の理系学生や、大学を卒業した理系の方でした。彼らは、研究中に自分で環境構築(※2)をしていたので、勘があります。だから担当してもらったというのもありますね。

※1 デバッグ……プログラム内のバグを発見・修正すること
※2 環境構築……システムが動作するようにコンピュータの状態を整えること

有馬:二人とも非常に真面目に取り組んでくれました。一人目はプログラミングの経験があまりありませんでしたが、こちらから作業の指示をするとそれらを一つずつ理解していき、着実に業務をこなしてくれました。もう一人の方は、最初から知識も経験もあったので、ざっくりとした指示でどんどん作業を進めてくれましたね。とても楽しそうでした。二人ともひとつの物事を追求する、いわゆる「理系の研究室によくいるタイプ」だったので、受入れる上での違和感や苦労はありませんでした。感覚としては「あ、新人の人来はったな」という感じでしたね。

吉田:発達障害のある方の中には、「うちで働いてくれてもいいよな」と思うような方もよくいます。集中力があり、論理的に物事を考える。IT系企業の風土に合うんですね。違う言い方をすると、今まで採用してきた人と発達障害のある方の雰囲気や考え方はよく似ているんです。この業界では、そういう性質を持っている人が大勢いるので、中には発達障害だと周囲も当人も知らずに働いている人もいるのだろうと思います。実際に、朝、時間通りに出社することが難しい人も業界にいますからね。でもすごく仕事ができるんです。WEB業界やゲーム業界では、自分の欠点とその事情を明確に伝えれば、得意分野を買ってくれる会社もたくさんあると思います。

プロデューサーの吉田光広さんとプログラマーの有馬丞さん
Q.雇用する方に求める条件などはありますか?

吉田:企業側からすると、自社にとって戦力になる人でないとシナジー(相乗効果)を見出せないのが現状です。そのため、業務上必要なスキルを備えていること、それから継続的な熱量を持っていることが条件となります。
それに加え、社会人として安定していることを望みます。しかし、納期に間に合うのならば、必ずしも毎日一定の生産性を保つ必要はありません。瞬間的に山を越えられる力があると知っていれば、勤務時間を調整するなど、日々メンテナンスをしながら共に働けます。

“とがっているもの”が価値になる。

Q.IT業界の仕事現場とは。

吉田:IT業界は慢性的な人不足です。プロジェクトを始動しようにも、業務に必要なスキルを持つプログラマーが集まらない。そこで、外部の企業に人手を借りられないか打診するのですが、腕のあるプログラマーと未熟なプログラマーをセットで派遣しようとする企業があるんですね。派遣する側の企業には、新人のほうの単価は安くてもいいから、彼・彼女をベテランのそばで勉強させたいという思いがある。そして受入れる側の企業にもメリットはあります。確かに、スキルの足りないプログラマーは戦力で言えば0.5人前かもしれないし、0.3人前かもしれません。でも、その人が業務をこなす中で成長していけば、チーム全体の戦力が増強され、プロジェクトとしても結果が残せます。

未熟な人はなぜ未熟かと言うと「経験が少ないから」なんです。経験者は、新しい仕事であっても物事の輪郭を掴むのが早く、1を聞いて10を把握することができます。経験が少ない人にはその「補完」ができない。しかし、プロジェクトで仕事をこなすうちに少しずつ力がついていきます。パフォーマンスが出ないのは最初だけで、しっかり役割を持って仕事をすればどんどん一人前に近付いていくんです。成長するためには「経験」が必要です。自分はいま何を高めようとしているのかと意識を持って業務に取り組めば、「自分の苦手なこと・得意なことは何か」と考える機会が増える。そこから、より意義深い経験値が得られます。そして、それはインターン生にとっても同じです。インターンで自分が見つけたいもの・成長させたいものをよく考え、「この実習のテーマ」を自ら設定して臨んでほしい。そうすれば実習が目的化されて、より意味のあるインターンになると思います。

昔みたいに産業・工業中心の社会ではありません。インターネットの登場やメディアの発達により、コンテンツで利潤を生む社会になっています。良質なコンテンツを制作するための戦力を、どこの会社も欲しがっています。とがっているものを提供できれば、それはひとつの価値になる。発達障害のある方は、好きなものに対してとても熱意を持って取り組める方々が多いように思います。ステップバイステップでいいので、やりたいこと、好きなものを追求して経験を積み、腕を磨いてほしいと思います。

就職活動に取り組む皆さんへ

jae_face01 会社も人も、目的に向かっていないと前へは進めません。特に何も考えずに身の振り方を決めていては、時間がもったいない。やりたいことを一生懸命探し続けることが大切だと思います。自分のやりたいことや好きなものを熟考して人生の方針を決めれば、継続的な熱量が生まれる。それは、夢を叶えたり金銭を得たりすることにつながります。
jae_face01 「自分、思ってるよりもいけてるよ」と伝えたいです。たとえば、発達障害の特性のひとつに「過集中」がありますが、プログラマーは集中力があるほうがいい仕事ができるはずです。その特性はむしろ強みになります。
この業界には、集中力にムラがあったり、物事を抽象的に捉えるのが難しかったりといった特性を持ちながら活躍している人も大勢います。自信を持って就職活動に取り組んでください。
企業・団体名 ブルーフォグ・ソリューション株式会社
所在地 〒604-8155 京都市中京区錦小路通烏丸西入る占出山町312番地 KAY’Sビル4F
HP http://bluefog-solution.com/
事業概要 「全てに戦略を」をコンセプトに、ビジネスコンサルティングや戦略構築をベースとした「ソリューション事業」、IT技術を一般や企業の方にも気軽に学習できる「IT教育事業」を展開。2014年度には、関西初の取り組みとなる発達障害のある方向けのIT訓練(知識・技能習得訓練)を京都府立京都高等技術専門校、株式会社エンカレッジと協働で実施。