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「食づくりは人づくり」その理念の舞台裏

企業・団体名:株式会社ミレニアムダイニング
http://www.millennium-dinning.co.jp/

ミレニアムダイニング 集合写真

「発達障害があるからという理由で、自分の可能性を止めないでほしい」そうエールをくれたのは、だし巻きとから揚げがセットになった「だしから弁当」が人気のお弁当屋さん「お弁当物語」を、大阪・兵庫で展開する株式会社ミレニアムダイニング。2013年度から継続してインターン生を受入れています。そこにはどんな思いがあるのでしょうか。代表取締役の重森貴弘さん(右)・お弁当物語なんば店店長の浜畑大さん(左)にうかがいました。

一つ一つの経験がインターン生の自信に

Q.インターン受入れに取り組むきっかけや目的はなんですか?

重森:受入れを決めた理由は、飲食に関わる人を一人でも多く増やしたかったからです。飲食業はなかなか人が集まらない、続かない業界なんです。浜畑に「インターン生受入れてみるか?」と聞くと「やります」と。人が足りなかったんですよ。インターンをきっかけにレギュラーバイトにつながればという思いも最初はあったと思います。また、インターン生を受入れることが、社員がやさしくなる、自分の足りないものに気づくきっかけになればという思いもありました。

Q.インターン生の仕事内容はなんですか?

浜畑:新しいスタッフが入ってきたときと同じく、盛り付けやチラシ折り、掃除、洗い物などです。接客業務はありませんが、お客様が来店した際「いらっしゃいませ」と一緒にお声掛けをしています。お弁当の予約がたくさん入った日に、唐揚げを何百個と揚げていただいたこともあります。とても助かりました。仕事内容はインターン生の強みに合わせて決めています。インターン初日に、まず掃除とチラシ折りをしていただき、細かい作業も得意そうだと感じたら、盛り付けや揚げ物も業務に追加します。みなさんとても前向きで、仕事が終わったら「次は何をしたらいいですか?」と自分から聞いてくれます。インターン生がいる間は店舗もいつもよりきれいなので、ありがたいです。

お弁当物語なんば店は食堂も併設されている。
Q.インターン受入れをする中でよかったことや、周囲の変化などありますか?

浜畑:伝え方の工夫を私達の方が教わりました。彼らと接するとき、言葉遣いや話し方に気を付けます。注意をするときも、「なぜだめなのか」の説明を柔らかく伝えています。飲食店はアルバイトの入れ替わりが激しい。同じことを伝えたつもりでも、人によって捉え方が違うことがあります。誰が聞いても同じ捉え方になるように伝える工夫は勉強になりましたね。 インターンが終わってからもお弁当を買いに来てくれる方がいたんです。「久しぶり!」とか言って、当時の思い出話なんかして。うれしいですよね。みなさん、初日と最後の日では顔つきが変わります。硬い表情から柔らかくなる。日を追うごとに話もしてくれます。初日にしか挨拶していないのにスタッフ全員の名前を覚えてくれている方も多かったです。それぞれ印象に残っていますね。 重森:インターン期間が終わってから、支援員の方から「○○さんの就職が決まりました」と教えてもらうことがありました。その方が面接で「洗い物だったらできます。インターンで大きな釜も洗っていました」と答えたそうです。それが決め手になった訳ではないと思いますが、「インターンでできた!」という自信になったんじゃないかな。そんな話を店長やスタッフに伝えるとすごく喜んでくれます。インターン生の成長がうれしいんでしょうね。それと同時に、社員も人として成長していると私は感じています。

代表取締役の重森貴弘さんとお弁当物語なんば店店長の浜畑大さん

求められるのはうまくなる努力

Q.受入れにあたっての将来像や今後の方針などをお聞かせください。

重森:今後、複数の店舗の作業を集めて一カ所で行う「セントラルキッチン」をしたいと考えています。そのために、今ある仕事を①店舗でしかできないこと②店舗でなくてもできること、に仕分けています。例えば、かぼちゃの煮物。かぼちゃは通常、生産地から市場に来て、八百屋に入り、我々の元に届きます。でも店舗に来るかぼちゃをどうにかするという発想ではだめなんです。かぼちゃができて流通にのるところから、仕事の割り振りを考える必要があります。当社では「真空調理」という調理方法を採用しています。切ったかぼちゃと調味液を真空パックに入れて、スチームにかけると煮物になるんです。でも、かぼちゃを切って袋に入れるのは、店舗でなくてもできますよね。そういった業務を集めて、一カ所で作業をする。そんな仕組みができれば障害のある方々の活躍の場もつくれると考えています。飲食業界は人手不足が課題なので、どんな飲食店でも、これからそんな仕組みをつくっていく必要があると思います。逆に、就職を目指す方から見ると、働くチャンスがあるということですね。

Q.働くのに必要なこととは?

重森:前提として、その仕事が好き、お客さんに喜んでもらうことが好きということ。調理能力などスキルは後から身につければいいんです。そして努力を積み重ねられること。仕事には職場でしかできないこともあれば、家でもできることがあります。例えば、メニューを覚えること。メニュー表を持って帰って、どんなメニューがあるのか覚えることができます。そういった「自分でうまくなる努力」をやるかやらないか。人を採用して思うのは、就業時間だけでなんとかしようという方が多いということ。メニューも怒られて初めて覚えてくる。働く日がスタートではないんです。最低限必要なことを覚えた時点がスタートなんです。努力が目に見えれば、周りも進んで助けてくれます。

Q.飲食に関わる仕事を目指す方へのアドバイスをお願いします。

重森:「なぜ飲食業で働きたいか」、そして飲食業の中でも、「なぜその商品を選んだのか」を明確にしてほしい。飲食業と一括りに言っても、焼き鳥、うどん、焼き肉など種類は様々。例えば、当社だと「なぜ『お弁当屋さん』で働きたいのか」その理由がほしいんです。凝った答えは必要ない。「いつもお弁当を買っていて、おいしいから」でいいんです。でも、「わからない」「飲食業だったらなんでもいい」という答えが、一番困る。お弁当屋さんって、お客様の「ごちそうさま、おいしかったよ」が直接聞けないんですよね。みんな持って帰るので。お客様が食べて「おいしい」と喜んでいる姿を見たいのであれば、お弁当屋さんは違うんですよ。おいしいの基準も飲食店とは異なります。「温かい」に照準を置いてはダメで、「冷めてもおいしい」でなくてはいけない。でも一方で、飲食店だと決まったメニューだけのところも多いです。お弁当はメニューも多く、和洋中いろんな料理が作れます。飲食業と一括りにせず、様々な角度から業界や仕事を見てください。また、経営理念に共感して、その会社で働きたい理由をしっかり持ってほしい。そうすれば、採用にもぐっと近づき、ミスマッチも減ると思います。

就職活動に取り組む皆さんへ

jae_face01 会社はバスです。そして、経営理念は行き先です。社会には大きい、小さい、新しい、古い、色んなバスがあります。でも、バスに乗るとき、行き先と目的地が違うバスには乗らないですよね。その目的地を探してほしいんです。また、そのバスも今は新品かもしれませんが、10年後どうなっているかわからない。本当に行きたい所へ辿り着くのか、ご自身で判断する必要があります。別に少し汚れていても、1人や2人しか乗っていなくてもいいんです。何がしたいのか目的を明確にすれば、ご自身に合った会社と巡り会えるはずです。
jae_face01 インターンに来てくれる方は、まじめに一生懸命な方が本当に多いと感じています。どんなことでも前向きに取り組む姿を見ると、周りも自然とサポートしたくなります。一方で、みなさんの得意なことを活かし、伸ばしていくことは、受入れる側にも求められます。得意なことを活かせる環境に出会えることを願っています。次のインターンも楽しみにしています。
大阪市営地下鉄「なんば駅」(四つ橋線)から徒歩1分
油や化学調味料無添加にこだわったお弁当。人気のだし巻きは一つ一つお店で丁寧に焼き上げる。
企業・団体名 株式会社ミレニアムダイニング
所在地 〒658-0015  神戸市東灘区本山南町8丁目6-26  東神戸センタービル3階
HP http://www.millennium-dinning.co.jp/
事業概要 平成12年創業。兵庫と大阪に「ファミリーレストラン」「お弁当屋さん」「和食レストラン」の3業態で8店舗、FC加盟店8店舗を出店(2013年1月現在)。「食づくりは人づくり」を経営理念する。平成25年からは、農業にも本格的に力をいれ、店舗展開の横展開だけでなく、食材の流れの川上(生産地、生産者)に近づき、縦と横の面となるビジネス展開を目指す。
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