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「こんな私でも就職できるんだ」安心感で強くなる

🔽 就職者プロフィール

先輩H

  • 名前:先輩Hさん
  • 年齢:20代
  • 勤務時間:平日週4日(10:00~16:00)
  • 仕事概要:児童デイサービスでの事務・運営補助
  • 雇用体系:アルバイト
  • 障害種別:高機能自閉症

私の「はたらく」

"安心感の中で自分らしく働く"

私は大阪にある自閉症の子どもを対象にした児童デイサービスの事業所で週4日働いています。勤務時間は10:00~16:00です。仕事は事務補助で、主にデータ入力や利用者さんがコミュニケーションの練習に使う教材を作成しています。教材作成では、絵が描かれたカードをラミネートしてケガをしないように角を丸くします。また、部屋の掃除や買い物もしています。得意な仕事はデータ入力です。前職でもデータ入力は正確に速く打てるので褒められることが多かったです。逆に苦手な仕事は掃除を丁寧かつ手早く行うこと。特に洋室は、コードレス掃除機がカーペットの生地にひっかかることがあって、時間がかかってしまいます。自分なりに無駄をなくすための工夫はしていますが、この前もあと少しで終わるというタイミングで掃除機の充電が切れてしまいました。「なんでできないんだろう」と悔しかったです。他の工夫としては、落ち着いて仕事ができるように、好きなキャラクターの文房具を見えるところに置くようにしています。また最近は、飲み物にもこだわっていて、息抜きの際には特に好きなものを、眠気を感じた際はブラックコーヒーを飲むようにしています。

<ある日のHさん>

08:40
通勤(電車・バス)、飲み物購入
10:00
朝礼
10:10
机ふき、雑巾の洗濯、3Fの掃除、書類の準備、買い物、書類作成、データ入力など
12:15
お昼ごはん
13:10
午前中の続き
14:00
休憩
14:10
3F事務所でデータ入力、ファイリング
15:40
業務日報記入
16:30
退勤

今の職場を知ったきっかけは、就労移行支援事業所エンカレッジのスタッフから、私に合いそうな職場があると情報提供をいただいたことです。実習を経て2016年5月に就職が決まりました。実習では、職場のみなさんが私の特性をよく理解した上で接してくださいました。例えば視覚的にわかりやすいように、1日のスケジュールや手順書、見本を準備して働きやすい環境を整えてくださったんです。ここなら私も力を発揮できるんじゃないかと感じました。今でも、目の前に人がいると緊張してしまうので、正面に人がいない所で仕事ができるように配慮してくださっています。そんなみなさんから感謝の言葉をいただけたとき、本当にやりがいを感じます。「Hさんのサポートがあってこそ、僕らは仕事に専念できています。いつもありがとう」と直属の上司が言ってくださいました。他のスタッフからも「Hさんが頑張っていると私も元気になれます」とコメントをいただいて、もっと頑張ろうと思えました。安心感もあって、温かくて本当に恵まれた環境で働けています。

働くために必要なこと

"働く動機×頑張り過ぎないこと"

誰でも、何でもいいので好きな人やものをもつこと。例えば、好きなアーティストがいる場合「ライブに行くために仕事を頑張る」と仕事への動機づけができるからです。私も働くようになってから好きなアーティストのサイン入りチケットを思い切って買ったり、好きなアニメのブルーレイやドラマCDをまとめて買ったりしました。前は買えなかったちょっと高いものも、「仕事頑張ったし買っちゃおう!」と買えるようになったのが一番のモチベーションです。

あとはやっぱりムリをし過ぎないこと。頑張ることはもちろん大事ですが、頑張り過ぎると精神的にもしんどくなって、体調にも影響することもあります。しんどくなったときのためにも相談できる人をもつことも大事だと思います。

今に至るまでの道のりとこれから

"前職のトラウマと不安を乗り越えて"

  1. 発達障害者支援センター
  2. 大学卒業
  3. 職業センター
  4. 就職・離職
  5. 就労移行支援事業所(県外)
  6. 就労移行支援事業所エンカレッジ京都・京都三条
  7. 実習
  8. 就職

私は2014年まで県外に住んでいました。高校2年生の頃、初めて発達障害者支援センターに相談し、大学3回生の冬に高機能自閉症と診断を受けました。障害のことは、最初は「なんでこうなっちゃうのかな~」といろいろ考えてしまいました。でも障害があることを隠して辛い思いをするより、理解してくださる環境で働きたいと障害者雇用枠での就職を選びました。

大学卒業後、職業センターの職業訓練(3か月)に参加し、就職が決まりました。前職では1年2か月医療法人の管理部でデータ入力やカルテの整理などをしていました。働き始めて約1年は上司も私の障害特性を理解してくださっていて、できる仕事も増えて楽しかったんです。でも人事異動で上司が代わり、指導方法や環境もガラッと変わってしまいました。自分の頑張りが足りなかったのかなとも思いますが、できていたこともできなくなって、怒られることも増えて。最初は仕方ないと我慢していたんですが、耐えきれなくなって、早退も増え、精神科にも通い始めました。趣味もできないぐらいつらかったです。そんな中でふと、上司が私の解雇を考え始めているということを知ってしまいました。正直そう思われているなら、辞めた方がいいと思って自分から退職を申し出ました。

退職後は、約2ヶ月就労移行支援事業所に通いました。そこには今の職場のような児童デイサービスがあり、事務のお手伝いをしていたこともあります。2014年10月に大阪に引っ越し、11月から就労移行支援事業所エンカレッジ京都に通い始めました。エンカレッジは前の就労移行支援事業所に通っていたときに、相談していたスタッフさんが紹介してくれました。初めは人がいっぱいいたので、通えるかどうか不安でしたが、気持ちの落ち着かせ方やデータ入力などいろいろ学びました。でも人が増えるにつれ落ち着かなくなって、みんながいる講座室ではなく相談室やスタッフルームで過ごしていました。2015年11月エンカレッジ京都三条がオープンしたタイミングで転籍。京都三条の方が広くて、転籍してから気持ちが楽になりました。その後、今の職場での実習を2016年1月~3月は週1日、4月には週4日を2週間行い、5月に就職が決まりました。前職のトラウマから、本当に就職できるのかという不安と、就労移行支援の利用期限が近づいているという焦りもあったので、「あーよかった。こんな私でも就職できるんだ」と本当にうれしかったです。

将来の夢や目標

"目の前のことを一つひとつ"

いつか、趣味の「イラストを描くこと」を活かした仕事もしてみたいと思っています。目の前の目標としてはもう少しカーペットの掃除機がけをうまくできるように。あと、トイレ掃除ももう少し早くできるようになりたいです。もう少し先の目標だったら、できるかどうかはわからないですが、利用者さんとスタッフとの療育プログラムに少しでも参加できたらいいなと思っています。

就職活動に取り組むみなさまへ

「自分は本当に就職できるのか?」と不安に思っている人もたくさんいると思います。私も、前職を辞めてから、トラウマもあってずっと不安でした。でも、就労移行支援事業所に通い、実習に行くことにより自信をつけることができました。皆さんも諦めないで下さい。

発達障害に特化した就労移行支援事業所エンカレッジ

エンカレッジ

発達障害のある方に特化した就労移行支援事業所エンカレッジは、あなたの強みを活かした就職を徹底サポートします。
大阪(本町、心斎橋、天満橋)・京都(京都駅、京都三条)の5拠点で説明会の申込み・相談を随時受け付けておりますので、まずはお気軽にご参加ください。
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