障害理解よりも個人の理解へ

エンカレッジ京都三条コーディネーターの猪上です。
あるご利用者が「○○さんは障害者に見えないよ」と言われることがあるそうです。それに対して「人を『遊星からの物体X』(注1) の物体Xみたいに言わないでほしい」とよく話されます。
つまり、慰めのつもりかもしれないけれど障害のある人を自分と同じ人間だと思っていないようにも聞こえてしまうということでした。

発達障害のある人とない人の違いはなんでしょうか。もちろん医学的な違いはあるでしょう。
しかし、突き詰めれば障害者という大きなくくりが大事なのではなく、私とあなたという個々人の違いに目を向けることが重要なのだと思います。

決めつけ・偏見をなくすための考え方『個別化の原則』

アメリカの社会学者バイステックは「個別化の原則」というものを提唱しています。これは、どれだけ似たような問題でも「同じ問題(ケース)は存在しない」という考えで、決めつけや偏見をなくすための重要な考え方です。
まさに問題も個人も、一括りで考えるのではなく個別で考えるほうがスッキリします。
私は未熟なので、これは障害特性からくるものなのだろうかと考えてしまいがちですが、大事なのは目の前の人が何に困っていてどう解決するかだと自省することが多くあります。

さらに言うと個人の抱える問題というのは、個人だけの問題ではなく環境の問題もあります。
精神保健福祉士(注2)の視点として「人と環境の相互作用」というものが求められます。
これは簡単に言うと、「個人の問題だけではどうにもならない環境の問題もあるかもしれないから、周りの環境にも目を向けましょう。」というものです。

自分を知ることで個々人の違いを認め合える

さて、では個々人の違いを認めるにはどうすればいいでしょうか。
一つの解決法として、「自分を知ること」が挙げられます。自分を知ることで他人との違いを知り、差を認め合えるようになるはずです。

自分を知る

エンカレッジでも自分を知るための「自己理解講座」というものを行っております。
自己理解講座では自分の考え方の傾向を知ったり、これまでの人生を振り返って自分の大事にしている考え方を知ったり、日々困っていることに対してグループで解決法を考えたりして自分への理解を深めています。

あるご利用者に「発達障害と診断された時はどういうものかわからず不安だったけど、具体的にどうすれば困ったことを解決できるかを(支援員と一緒に)考えてもらえて生きるのが楽になった」とおっしゃっていただきました。
発達障害と言っても個人が抱えている問題は様々です。その問題、もしくは強みの一つ一つを紐解いて理解していくことが個々人の幸せにつながると思っています。
エンカレッジをご利用されている方がそうして、自分を知ることでより良い就労・生活につながればと思います。私としても様々な方の強みや問題を通して個々人が幸せな生活を送れる一助となれば幸いです。

 

(注1)

「遊星からの物体X」(1982) 監督:ジョン・カーペンター、主演:カート・ラッセル
あらすじ:舞台は南極基地。宇宙から来た物体Xが生物に擬態して、襲い掛かる。密室で隊員たちは誰が物体Xなのか疑心暗鬼に陥り混乱が混乱を招く…
「ゼイリブ」や「ハロウィン」など独特な怪物造形で有名なジョン・カーペンター監督が映画を志すきっかけとなった原作を、リメイクして作られた作品。

(注2)

(精神保健福祉士法第2条より)
第2条 「精神保健福祉士」とは、第28条の登録を受け、精神保健福祉 士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医 療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施 設を利用している者の地域相談支援(障害者の日常生活及び社会生活 を総合的に支援するための法律第5条第18項に規定する地域相談支援 ※をいう。)の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、 助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うこと(以下、「相談援助」という。)を業とする者をいう。

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