NewADHDのある大人の薬との付き合い方について

ADHDのある大人が薬を飲むメリットとデメリット

ADHDのある大人が現実生活に適応していくために、薬を服用することは重要な選択肢だと思う。ADHDのある大人はその特性上、仕事で問題が起きることがある。環境調整、周囲の理解、本人の工夫で何とか仕事ができる場合もある。しかし、残念ながら何とかならない場合もある。そんな時、薬が大きな効果を発揮する場合もある。

この記事を書いている2018年5月時点で、ADHDのある成人に処方される薬はストラテラとコンサータの2種類がある。私の場合は、ADHDに効くことがあると、統合失調症の薬やうつ病の薬を処方されて服用したことがある(私の場合、副作用のみであったのですぐに飲まなくなった)。なお、6~17歳のADHDのある子供向けの薬として新たに認可されたインチュニブも、成人適用に向けて動きがあるようだ。

ADHDのある方にとって薬を飲むメリットは、うまく薬が合えば症状が劇的に改善する可能性があることだ。私はストラテラを飲んだときは、効果は強くなかったものの不注意性が一部改善したように思った。仕事での資料作成のミスが減ったのだ。一方で、コンサータを飲むと、衝動性が劇的に改善される。直前にならないと手がつかない資料作成の仕事に、かなり前から取り組めるようになる。

しかし、副作用には要注意だ。ADHD治療目的で統合失調症の薬を処方され、服用した時は舌が痺れるような感覚があり、滑舌がかなり悪くなった。講師業の私にとってはかなり致命的な問題であった。また、ストラテラを服用していたときは、主観的な感覚だが講義中の反応が0.5秒ほど遅れる気がした。受講者が気になったかはわからないが、私からすると大きなストレスだった。また、コンサータを飲むと、薬が切れた後、頻繁に体に大きな疲労感を感じた。なお、これらの副作用は、私独自のものであり、その薬の代表的な副作用とは異なる。

メリットとデメリットを考慮して、薬を飲むか飲まないか、飲むなら何を飲むか決める必要がある。私の場合は、上司がミスに対してかなり厳しかった時はストラテラを飲んでいた。その後、納期遅れの方が致命的な問題になればコンサータの方が効果的になった。しかし、講師として現場の仕事が増えてくると、薬の必要性は薄まっていった。私の仕事で最も重要な、講師として現場に立っている瞬間については、私にとっては薬があってもなくても変わらないのだ。

発達障害に関して経験が豊富な医師だと、ADHDの薬も的確に処方してもらいやすい

ただし、医師との相性は大切だと思う。私は以前ある病院で薬をもらっていたが、担当の医師が転勤になり、新しい医師に交代したことがあった。新しい医師は、初めての受診でこちらの話は何も聞かずに「私はADHDの薬を出すつもりはない。」と言った。具体的な理由やその医師がどんな方なのかは聞いていない。そして、それ以来私はその病院に行っていない。
その他、医師によって随分方針が違うなあと感じることが何度かあった。発達障害に対する経験値も人によって大きく異なるようだ。知人の例だが、うつ病と診断されており通院をしていたが、引越しで別の病院に通うことになった。その新しい病院でADHDであることがわかった(うつ病は二次障害)。ADHDの薬を飲み始めると、結果的にうつ病も改善したそうだ。

では、どんな医師がいいのか。やはり発達障害に関して経験が豊富な医師がいいと思う。そして、発達障害に関して経験豊富な先生は、発達障害支援のプロが知っている可能性が高いように感じる。例えば、各地にある発達障害情報・支援センター《→リンク》で紹介を依頼することも一つの手段であると思う(確実に教えてもらえるかは分からないが…)。

ADHDの薬を服用しようと思うと、医師を選ぶ段階のハードルが高く、副作用のリスクもある。それでも、劇的に効果が改善する可能性があるので、自己判断の上でADHDのある方は薬の服用を試す価値があると思う。

  • この記事を書いた人
  • 最新の記事
かめたーとる

【かめたーとる】
ADHD(注意・欠陥多動性障害)の診断を受けた当事者。大学卒業後、金融機関を経てベンチャー企業に出向。そこで不適応を起こして逃げるようにフリーランスに。小・中学生対象の塾講師を経て、現在は様々な大学でキャリア教育、就職活動支援の講師をメインに仕事行なっている。特性上、数々の失敗体験、不適応体験を持つ。発達障害者の就労、ADHDの特性の記事などを担当するはずが、思いつくままに記事を書いている。

エンカレッジ