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仕事のブランクを乗り越え 社会とつながり生きる

🔽 就職者プロフィール

先輩B

  • 名前:先輩Bさん
  • 年齢:30代
  • 勤務時間:平日(9:00〜16:00)
  • 仕事概要:特例子会社で事務
  • 雇用体系:契約社員
  • 障害種別:広汎性発達障害

私の「はたらく」

"働くことは楽しい。後輩の成長がやりがいに。"

特例子会社で主にデータ入力と、後輩や実習生のサポートをしています。サポート業務では、掃除の時間や休憩時間など日々の中で、後輩の相談にのりアドバイスをしています。上司と後輩の橋渡しをする「いいお兄さん」といった立ち位置です。「人の役に立ちたい」という思いも強かったので、サポート役を任せられているのはうれしいです。少し意識して話のきっかけをつくることで、後輩が周囲と打ち解けやすくなります。彼らが程よい緊張感を持って、職場にフィットしていくよう、働きやすい環境づくりを心がけています。社会人経験の少ない10代の方も入ってきます。彼らがいろんなことを吸収して成長する姿を見てやりがいを感じます。「Bさんが担当ですごくよかった」と言ってもらえたときは、本当にうれしかったです。

現在の職場を選んだ理由は、実習の際に「働きやすい」と感じたから。仕事の内容はもちろん、フラットな視点をもった信頼できる上司、温かい周囲の方々など、環境面も私に合っていました。仕事のブランクもあったので、実習は大変でした。集中力の低下や、薬の副作用による眠気、人間関係の面で緊張することも。それでも実習最後の振返りで、会社から私への評価が思っていた以上によかったんです。私自身が働きやすいと感じたこと、企業が評価してくれるということは、お互いにとってマッチしているんだと思い、就職を決めました。実際に入ってみても仕事内容、環境共に合っていると感じています。

通勤
電車通勤
09:00
掃除・朝礼
09:15
データ入力、データの見直し*10分休憩
12:00
昼休み、後輩・実習生のフォロー
13:00
複数名で入力したデータの見直し、データのエラーチェック*10分休憩
16:00
退社

私は今まで転職を繰り返してきました。その中でも、現在の仕事は長く続いています。仕事における自分のクセもわかってきたので対策がとれ、当初に比べると気は楽です。たとえば、集中力が低下してしまうことへの対策。休憩時間は仕事のことを考えず、オフィスの外に出たり、スタッフと話をしたりしています。リラックスして「ちゃんと休憩する」ことで、意識的に気持ちを切り替えています。

もちろん自分のクセすべてに対処できる訳はありません。私も周囲のサポートを受けながら働いています。臨機応変な対応が難しいこと、見通しがたたない仕事が苦手なことを就職の際に伝えました。対策として、上司が指示書を作ってくれています。また、いろいろな仕事をする中で、手作業の仕事はあまりむいていないとわかりました。ある機械の組立、梱包をしたんです。結果、スピード面・精度面でも、平均より下。もともと手先は不器用で、職業センターの適性検査でも手作業は弱いという結果は出ていましたが、それでもショックでした。その反面、事務の仕事はスムーズにできています。これまで別の仕事をしていたので、事務のイメージを持てずにいましたが、それでもコミュニケーションをとって、ある程度動けています。これは自信につながりました。今は手作業を任せられることはなく、事務の仕事がメインになっています。私の適性や強みを踏まえて、上司が仕事や環境など調整をしてくださっています。

働くために必要なこと

"大切なのは「人」 周囲のサポート×自分でできることを"

働くためのベースとなる集中力・忍耐力・体力。その上で、人です。まず、相談できる人がいること。私の場合は上司に仕事、プライベートどちらのことも相談しています。会社から私への役割期待と実際の姿にズレがないかフィードバックをもらうこともあります。どんなことでも自分から投げかけることで始まるんだと、仕事を通して感じます。声に出さないと、相手にも伝わらないですから。その声を受け止めて、相談に乗ってくれる人がいてくれるのはとても心強いです。もう1つは、自分自身も人慣れしておくこと。私の場合は仕事のブランクで人と接する機会が減ったため、誰かと一緒に働くことへの緊張や、周りの評価を過度に気にすることがありました。後に就労移行支援事業所に入った際も、周りに人がいる中で訓練を行うため、人疲れもしました。でも、今振返ってみると、そういった人の輪に所属して、一定の緊張感に慣れておくことは大切なことだと感じています。

また、趣味を持つこと。仕事がうまくいっているときはいいんです。でも、うまくいっていない場合。その気持ちを引きずったままだと、休日も気が休まらず、体調にも影響が出てしまいます。長く働くために、休日の気分転換は必要です。これはまだ私の課題でもあるんですけどね。

今までの道のり

"七転び八起き 自身と向き合った就職活動"

  1. 転職
  2. ニート支援
  3. 就労以降支援事業所
  4. 実習
  5. 採用

前職を退職後、ニートの時期がありましたが、就職への意欲が高まったので仕事を探し始めました。しかし、広汎性発達障害であることをクローズにして就職活動に臨んだところ、面接を通過することがなかなかできませんでした。ニートの支援機関を通じた就職活動もしましたが、うまくいかず。精神障害者保健福祉手帳は既に取得していたので、障害をオープンにすることで配慮を受けながら働ける障害者雇用での就職を考えるようになりました。クローズで就職し、後から障害があると伝えた場合、周囲の方々がどのように障害を受け取るかわからないですよね。「障害があっても一緒にがんばろう」と思ってくれるのか。それとも、期待できないからクビにしようなんて、最悪のリスクもあるかもしれない。実際前職では、障害をクローズにして就職し、後から障害があることを上司に伝えましたが、理解や配慮は得られませんでした。また、今まで短期間での転職を繰り返してきました。転職する度に自信もなくなり、ストレスもかかります。障害への配慮を受けることで長く働けるのではないかと、障害者雇用を選びました。 はじめはハローワークを通じて就職活動をしましたが、思っていた以上に簡単に落ちました。その中で、支援機関のサポートを受けないと、障害者雇用での就職も厳しいと感じたんです。その後、就労移行支援事業所へ入り、実習も3回経験しました。そのうちの1社が現在の会社です。1週間の実習と面接で就職が決まりました。

夢や目標

"幸せな家庭を築く"

プライベートですと、結婚です。障害のある方は恋愛や結婚をあきらめやすい傾向があると思います。でも、私は多くの方がしているように、恋愛や結婚をして自分の家庭を持ちたいです。 仕事面ですと、今は契約社員なので、いつかは正社員になりたいですね。ハードルは高いですけど。

就職活動に取り組むみなさまへ

働くことは楽しいことです。働いていないときは、働くこと=苦しいというイメージがありました。しかし、職場というコミュニティに属することで、社会に貢献し、対価として給与を得ることができます。今は、社会とのつながりにやりがいを感じ、生きていることを実感できています。 私の経験からも、所属する場がない状態で仕事を探すのは精神的にしんどいことだと思います。一歩踏み出し、所属する場所を見つけてください。そして、働くこと=楽しいことと信じて、一つ一つ就職活動に取り組んでください。あきらめないでいたら、いつか道は開けます。

発達障害に特化した就労移行支援事業所エンカレッジ

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