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就職へ、試行錯誤を乗り越えて

ご挨拶

 こんにちは。4月から京都の企業に就職いたしました、千紀です。
 私は3月までエンカレッジ京都の利用者でした。2014年4月からエンカレッジ京都の利用を始め、就労への訓練を重ねたうえで、2017年4月に就職しました。
 今はWEB関係の業務や、事務補助業務を担当しています。

就職活動は、試行錯誤の連続だった

 就職活動をしていたこの数年は、自分に向いた働き方を見つけるための、試行錯誤の連続でした。
 私はエンカレッジ京都のオープンと同時に利用を開始しました。体調面に不安を抱えていましたが、エンカレッジのプログラムを通して自分自身の特性を知り、職種や環境を含めた「自分の働き方」のイメージを具体化したいと考えていました。このときオリエンテーションで顔を合わせた『一期生』は私を含めて5名で、「就労を目指して頑張ります」とみんなで自己紹介をし合ったことを覚えています。

 エンカレッジに通い始めてからも体調は安定せず、最初の数ヶ月は週4日利用予定のはずが週3日しか出席できないことも多かったです。とにかく朝が弱く、目まいと吐き気をこらえ何とか辿り着いたとしても、講義を受けている最中にさらなるストレスを感じて体調を悪化させることもありました。この状態では「自分の働き方」も全く想像がつかず、何をしていいのかわからない苦しい時期が続きました。

 ただ、調子がいいときは本当に調子がいい。集中力もある上に正確性・生産性も安定する。どうにかこのムラをなくし体調不良を克服できないかと試行錯誤を始めたころ、スタッフの方から「発達障害当事者向けのIT訓練があるから、受けてみないか」と声をかけていただきました。

発達障害当事者向けのIT訓練に参加。しかし……

 2014年12月から2015年2月まで、ブルーフォグソリューション株式会社様・京都府立京都高等技術専門校様・株式会社エンカレッジが共同で行った発達障害当事者向けのIT訓練(プログラミング講座)に参加しました。高校・大学で簡単なプログラミングは履修していて、自宅でも個人的にプログラミングをする機会はあったので最後まで理解できるだろうと考えていました。

 ところが訓練の後半になると講義は難解になり、覚えなければいけない事柄も増え、先生に質問を繰り返してついていくのがやっとでした。なんとか訓練は修了しましたが、これでも習得したプログラミング技術は基礎の基礎です。仕事で使えるレベルには到底達していません。就労先にシステム系を選択肢のひとつとして考えていた私には少し衝撃的な出来事でした。

 私が本当にやりたいことや、向いていることは何なのだろうかと改めて考えるようになりました。

自己理解が進めば、就職活動も進む

 その頃、私はエンカレッジ京都内のメールマガジンの配信を担当していました。そこで「編集後記」と称した軽いコラムを調子よく書いていたのですが、そのことから「文章を書くのが好きなら、今度就活応援サイトを立ち上げるからそのプロジェクトに参加しないか」と声をかけられました。そこではサイトに載せる記事の執筆が必要になるから、と。

 私はプロジェクトの一員となり、働くチカラWEBの立ち上げに関わることになりました。「どんなコンテンツが必要か?」「発達障害のある方は、企業にどんなことを訊きたいだろうか?」そんなことを相談する会議にも出席しました。

 発達障害当事者が、コミュニケーションの問題や思考・行動の特性から就職活動に苦しんでいるのはよく知っています。発達障害のある方を応援するサイトの立ち上げを、発達障害当事者の視点から支えたい。そういった思いもあり、私は積極的に働くチカラWEB関連の業務に携わりました。

 2016年4月に働くチカラWEBが本格オープンしました。その後も私は企業のインタビューに行ったり、記事を作成・校正したりとプロジェクトメンバーとミーティングをしながら業務を進めました。企業の方から拝聴したお話は、就労を目指す発達障害当事者としてためになるものばかりでした。そして、私と同じく就労を目指している発達障害のある方にこのお話をお届けすれば、働き方のイメージを具体化することや就職活動に対し前向きになることに繋がるのではと感じました。

 働くチカラWEBの記事を書く、この業務はきっと誰かの役に立つ。そう思うとぼんやりしていた「自分の働き方」も靄が晴れてきて、スケジュールの組み立て方が徐々にうまくなっていきました。

 体調不良は無理に克服するのではなく、自分のペースや特性を考慮し、うまく付き合っていくようにする。業務をこなす中で、利用時間を午前から午後に調整したり、執筆に詰まった際は事務補助のような軽作業を織り交ぜたりと工夫を重ねていきました。

 そして、2017年1月にはエンカレッジに入ったときに比べると目を見張るほど生産性が向上し、利用状況も安定していました。自分にも自信がつき、実習を経て、就職が決まりました。

就職活動中のみなさんへ

 就職活動というのは自分を見つめ直す行為です。自分の嫌いな部分と向き合わざるを得なかったり、苦手なことで挫折を味わったりということもあると思います。だからこそ、無理はしないでいただきたいです。

 性格や本質は簡単に変えられるものではありません。就職してからも付き合っていく自分の体と心のこと、この期間でじっくりわかってあげてください。やれるときに精一杯やってダメなときは全力で休む、というメリハリが大切だと思います。

 自分とどう付き合っていくかが少しでも見えたら、それは必ず人生の糧になります。自分を大事にしてください。……と言う私もまだスタート地点に立ったばかり。ともに頑張っていきましょう!

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