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エンカレッジを利用しての感想、そして障害者として働くこと

ご無沙汰しております。桑々です。
春と秋は企業の障害者雇用の採用活動も活発になり、障害者雇用合同面接会も多く開催されます。そのため、この時期に就職の決まる障害のある方も多いようです。
そして私もこの度就職が決まりました。

就職が決まった率直な気持ち

記事を書いている現時点ではまだあくまで内々定のような段階で、実習後から実際に就労するまで2~3か月と随分時間が空いてしまうため実感が全くありません。
また、自身の障害に気付かずに一般雇用の面接を受けていた頃は連戦連敗していたのですが、エンカレッジに入って実習に参加するようになった途端、複数の企業から内々々定とニアイコールの評価を頂くなど状況が一変したので、釈然としないというのが正直な感想です。
エンカレッジで日々学んだことが身に付いたおかげなのか、あるいは面接で全く出なかった私のいいところが実習では出せたのか……。

エンカレッジを利用しての感想

在京・在阪企業とのコネクション

大手から中小、特例子会社までさまざまな企業との繋がりがあるのがエンカレッジの強みの一つだと感じました。
手作業が得意な方、PCを使った事務が得意な方、静かな環境が適している方、騒がしい環境でも働ける方など、得意な仕事や好ましい環境の組み合わせは人によって千差万別です。
エンカレッジでは多種多様な企業との繋がりがあるので、利用者と企業、双方のマッチングを考えての実習・就職が可能です。私もエンカレッジからのサポートなしで、実習のない面接のみの状態で就職ができたとは思えません。
また、企業で働いている方から、「エンカレッジからの実習生や就職された方は大変礼儀正しい」との評価をよく伺います。

スタッフと利用者の関係性

障害のこともあるのでスタッフが利用者に対しマナーなどを指導することもあります。そもそも他人同士ですから考えの行き違いや価値観の違いというものもあります。
ですが私はスタッフと利用者は互いを尊重し合っており、信頼関係を構築していると感じています。

講座・面談について

発達障害に特化した就労移行支援事業所であるエンカレッジでは、発達障害当事者の多くが苦手としているコミュニケーションに力を入れているため、グループワークなど他の利用者と意見交換をして進める講座が多いです。
例に漏れず私自身、発達障害の診断が下りた際にコミュニケーションの課題を指摘されました。そのため、週に一度の担当スタッフとの面談では、自身の至らなかった点やよくできていた点をフィードバックして頂いていました。
度重なる「お祈り」により自尊心がズタボロになって自分のマイナス面にしか目を向けられなかった私にとっては、とても為になる時間でした。

得意なこと、不得意なこと、全てに真剣に取り組む姿勢が大切

私は卒業から大きな空白期間を作ってしまったことやそれまで受けた面接での連敗から、可能な限り早い就職を望んでいました。
初めての実習の話を伺った際も、必ず雇用に結びつくとは限らないとスタッフから言われ、「そんなことをしている場合じゃないのに!」と焦って不安に駆られたりもしました。
それでも、遠回りでも確実な前進だと思って、懸命に実習に取り組みました。得意なこと・不得意なこと両方ありましたが、努力し工夫しようとする姿勢を心がけました。
結果、実習で高い評価をいただき、企業の方で私の能力を活かそうと新たな部署や仕事の開拓までして頂いて、数か月後に一か月の長期実習があり、結果採用となりました。

こう書くと「嫌な仕事でも嫌な顔一つせず懸命に努力するべき」という主張に見えてしまうかもしれませんが、そうではありません。
私自身他人より明らかに苦手なことがあるとそれに躊躇(ちゅうちょ)なく見切りをつけ、得意なことに邁進(まいしん)するような人生を送ってきました。おかげで面接では「根性がない」と面と向かって言われたこともありました。

ですが、苦手なことを苦手であると自分で理解したり、相手に示したりするためにはまず身を入れて取り組んでみることが大切です。
あくまで私の知る限りではありますが、初めての企業に伺う際の実習は期間が定まっています。その間だけでも、嫌な顔をしてもいいので、身を入れて取り組んでみませんか。
嫌なことがあったらその日の実習が終わった後、スタッフへの電話で泣き言をいってもいいです。どうしても生理的に嫌な仕事があったら拒否してもいいです。私は虫が非常に苦手なのですが、虫関連の仕事があったらその場で断固拒否して逃げていたと思います。

例えば私は手作業が苦手です。他の方よりも精度も悪いしスピードも大分遅いと思います。
ですが、実習の中でそういった業務を任されたとき、どうすれば前より生産性や精度を上げることができるのか考えて作業に取り組みました。そして、その工夫する姿勢を企業に評価して頂きました。
後になって、企業の方が「苦手な作業や環境の中でどう業務に取り組むのか見ていた」とおっしゃっていました。

私の場合、私らしく自然体で業務に取り組んでいたらいろんな企業から良い評価を頂きました。
そして、今までの障害者雇用の枠にとらわれないキャリアパスや業務内容を示唆して頂ける1社に出会うことができました。

障害のある方が就職し、働くことについて

「一億総活躍」を目標に掲げる現代社会でも、障害者雇用を取り巻く現状は厳しく、家族や公的な助けがなければ自立が難しい人は多いと思います。そんな中で私は、「健常者」としては働けないのだから、社会で生きていけないのだからと、不平不満を全部飲みこんで受け入れようとしていました。

でも、私が実習で取り組む姿を見て、企業が変わってくれようとしています。
本当に、嬉しかった。

ただ、もしかしたら、その変化は劇的なものではなくほんの小さなものかもしれません。

それでも、分け隔てなく、部署の一人として扱ってもらって、期待されて、仕事を任せてもらえて、叱られて、見守られて、何より「助かった」という一言が、とても嬉しかった。
だから私は、この企業で、企業の方々と一緒に働きたいと思っています。
一緒に働きながら、少しずつ自分の働きを認めてもらえたら。私も社会人として、社員の一人として成長できたら、と思っています。

最後に

来週、最後の面接があります。
万が一、うまくいかなかったら、またこちらで。うまくいったら、こちらのHPに掲載される「先輩の声」、エンカレッジの講座の一つとして開かれる「先輩ようこそ」、エンカレッジの関連するセミナー等で皆様とお会いできたらと思います。

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