天敵・飲み会(2)~対処方法~

←《天敵・飲み会(1)~苦手な理由~》

発達障害当事者の飲み会対策で大事なのは「具体的な」行動指針

では、発達障害当事者は飲み会に対してどう対処すればいいのか。
今回はそれを考えたいと思う。

飲み会に関して私が受けたアドバイスの中で最悪だったものを先に書いておく。
それは、飲み会中に「気を配れ」というもの。

何が最悪だったのか?それは、
(1)改善が難しい領域であること
(2)具体的にどうやればいいのか分からないこと、の2点だ。

発達障害傾向のある方の場合、

・曖昧なことがわからない
・想像して動くことが苦手
・注意力に課題
・会話の流れを読まずに発言してしまう

など、人によって原因はさまざまだが、気を配ることに向かない特性がある場合が多い。

そんな人に「気を配れ」「気を使え」と言っても、発達障害特性により、それができなくて苦労しているのであるからアドバイスに意味はない。

また、「気を配れ」と言われても具体的にどうやっていいのか分からない。
これは健常者の方にも当てはまるだろうが、具体的にどう行動していいのかが分からないと改善のしようがない。
特に、前回書いたように、発達障害当事者は飲み会がそもそも苦手であるので対応が難しい。

「気を配れ」とアドバイスされた当時の私に話を戻すと、このアドバイスを上司から受けてもどうしていいのか分からず、なんとか気を配ろうとしてもうまくいかなかった。
また、気を配ることばかりに意識が向いていたため、会話も円滑にできずに散々だった。

「気と配れ」とアドバイスをした上司からは、「全然気を配れていない」と更に怒られた。
この時期の私は飲み会に行くことに恐怖を感じていた。
では、具体的にどのように対策をすればいいのか。以下の3つが大切だと思う。

飲み会が苦手な発達障害当事者のための対策方法

飲み会対策(1):行きたくなければできるだけ断る

部全体で行う飲み会・上司から命じられた飲み会は行かないといけないのか?

結論から言うと、行きたくない飲み会には参加しなくてもいいと私は思う。
日本企業で飲み会が大切なのは、飲み会で人間関係を深めることが仕事を円滑になるという理由であるそうだ。
しかし、大きなストレスを感じてまで、飲み会に参加する程の価値はないと思う。
それよりも、勤務時間内に成果を出すことの方が遥かに重要である。

しかし、職場の雰囲気、上司の考え方などで参加しないことが難しい場合もある。
そんなときのため、
1)できるだけ参加せずに済み
2)感情を悪化させない

断り方を覚える必要がある。

ポイントは、飲み会に参加しないための「他者都合」の理由を作ることだ。
先約・家族の都合・病院の予約・習い事など、自分でコントロールできない理由を作ることで、参加せずに済む可能性が高まり、また参加しないことに対する悪感情を持たれる可能性が低くなります。

ウソをつくことは推奨しない。
バレると大きく信頼を失うし、罪悪感を感じてしまう。
しかし、事実の理由を後付けでも作ることは悪いことではないと思う。

飲み会対策(2):周りの協力を得る

飲み会が苦手な場合、周りの協力を得ることはとても大事だと思う。
具体的には、
1)飲み会時のフォロー
2)飲み会でNG行動をした場合のフィードバック

の2つを得ることが必要になる。

特に大切なのが2)のフィードバックである。
自分で気がつかないうちに失敗をしている場合も多いが、フィードバックをしてもらうと、何がまずかったのかがわかる。
そうすると次に失敗しないように対策を立てることができる。
この対策をたくさん積み重ねていくと、飲み会で適応できるようになってくる。

私も新入社員時代、飲み会でたくさんの失敗をした。
最初はみんなから注意をされたが、だんだん呆れて注意をしなくなる先輩も出てきた。

しかし、ある先輩は毎回どこがダメかを言い続けてくれた。
辛かったが、その先輩の言うことを聞いて対策を立て続けることで、飲み会でのルールを学び、失敗を回避できるようになってきた。

飲み会対策(3):飲み会を乗り切るテクニックを身につける

飲み会の本番になれば、後は参加するしかない。
そこでは以下のテクニックが役に立つ。

座席は端に座る
飲み会では真ん中の座席に座ると、グループの変化や話の展開の早さについていけないことが多い。
端(特に壁ぎわ)に座ると、グループの変化が起こりにくい。
また、自分がどのグループなのか迷うことが少ないので、話についていけなくなる可能性が少ない。

トイレに頻繁に立つ
飲み会で疲れる方は、こまめに休憩を入れる必要がある。
そんなときにはトイレに行って、その個室で少し休むのがいい。

頻繁にトイレに行く・すぐに戻らないなどのことをすると、心配したり不快になったりする人がいるのではと考えるかもしれない。
ところが、飲み会で酒が入っていると参加者は気分が大きくなっているので、あまり気にしない人も多い。
トイレに何度か行くことを試してみて、どの頻度まではセーフか見極めよう。

飲みすぎない
これは、ADHD傾向にある方だけに当てはまるかもしれない。
飲み会で歯止めが効かなくなって、ついつい飲みすぎてしまうというものがある
(衝動性由来か?)

まあ私のことである。私は酒に強くないのにも関わらず、飲み会で飲みすぎてしまう傾向になる。
そしてベロベロになってよくわからなくなり、失言をして翌日怒られる、または人間関係を悪化させる、ということを何度もやっている。

このように、飲み会で飲みすぎないことは重要であるように感じる。
では、飲みすぎないためにどうすればいいのか。私は2つの対策をしている。
まず他人のペースに合わせない。
飲みすぎる大きな原因は他人の飲むスピードに合わせてしまうことだった。
そこで、あくまで自分のペースで飲むように心がけている。
また、1回の飲み会では3杯までに制限している。上限を決めてそれ以上飲まないことにしているので、飲みすぎには繋がらない。

以上のような対策を取ることで、発達障害傾向のある方も苦痛に感じている飲み会に少しでも対応できるようになれるのであれば幸いです。
飲み会自体は悪いものではないと思うので、それぞれのスタンスに合わせて適切な対策が取れるといいですね。

  • この記事を書いた人
  • 最新の記事
かめたーとる

【かめたーとる】
ADHD(注意・欠陥多動性障害)の診断を受けた当事者。大学卒業後、金融機関を経てベンチャー企業に出向。そこで不適応を起こして逃げるようにフリーランスに。小・中学生対象の塾講師を経て、現在は様々な大学でキャリア教育、就職活動支援の講師をメインに仕事を行なっている。特性上、数々の失敗体験、不適応体験を持つ。発達障害者の就労、ADHDの特性の記事などを担当するはずが、思いつくままに記事を書いている。

エンカレッジ02 エンカレッジ01