5年後も、10年後も一緒に成長できる関係を
企業・団体名:株式会社グリーティングワークス
http://www.greetingworks.com/
「困難なことがあっても逃げないで、一緒にがんばっていこう」そうエールをくれたのは、インターネットで様々な挨拶状が作れる「挨拶状ドットコム」を運営する株式会社グリーティングワークス。インターン生受入れ以外にも、雇用、業務委託、企業見学など、様々な形で発達障害のある方へ「はたらく」機会を提供くださっています。そこにはどんな思いがあるのでしょうか。事業推進部マネージャーの長浜章仁さんにうかがいました。
一つでも先に進んでもらえるようなサポートがしたい
- Q.実習・インターン受入れ・障害者雇用に取り組むきっかけや目的はなんですか?
きっかけは2011年の東日本大震災。当時、当社代表が現地を何度か訪問しました。障害がありもともと社会的に大変な状況にある方々が、震災で更に大変な思いをされている……という状況を目の当たりにしました。一企業として「できること」を考え、企業やNPOなどが、東北の障害者の仕事をつくるプロジェクト「ミンナDEツクロウヤ」に参画。東北の福祉事業所に名刺入力代行を依頼しました。一方的な支援ではなく「仕事をいかにつくるか」、障害のある方の就労について考えました。その入力代行を今度は地域で展開しようと、障害のある方の就労支援を目的としたプロジェクト「3hands」を立上げました。2012年よりインターン生受入れを開始し、現在アルバイトで1名雇用している他、年末に就労移行支援事業所へ入力代行を依頼したこともあります。
- Q.実習・インターン生・雇用されている方の仕事内容はなんですか?
名刺や社内のアンケート、手書きの住所録などのデータ化が基本業務です。他にも、先日は商品画像をサイトにアップする作業をお願いしました。アルバイトのAさんはパソコン操作に長けているので、テキパキこなしていました。私がするよりずっと早く、すごく助かっています。インターン生を受入れた際は、検品、梱包、年賀状用の箱作りにも取り組んでいただきました。発達障害のある方は手順や作業内容が明確な業務で力を発揮できるケースが多いので、基本的に複雑な判断が必要でない作業をお願いしています。
- Q.受入れをしている中で、難しかった点や、不安だった点はありますか?
受入れることへの不安は特になかったです。障害のあるなしに関わらず、どんな人でも個性があります。また、私の身近に障害のあるこどもがいて「自分にもできることはないか」という思いもありました。発達障害のある方は学年に1人2人の割合で在籍しているという説もあり、身近なことだと感じています。その身近なことを、企業・個人としても受入れ、彼らが一歩先に進めるよう活躍できる場をつくっていきたいと思っています。 一方で、難しいと感じるのは、仕事としてルールを守り、責任をもって業務をこなす必要性を理解してもらうことです。お互いの目指すものを共有し、お互いにそのギャップを埋めていくよう意識しています。
親御さんにも安心して、まかせてもらえるような会社へ
- Q.受入れの際に工夫・配慮・大切にしていることはなんですか?
周囲のスタッフに対しては、最初のインターン生を受入れる際に発達障害について勉強会をしました。障害特性や必要な配慮、受入れる意義など、社内で認識を合わせながら取り組みました。インターン生に対しては「ご本人の自信につなげる」ことを大切にしています。インターン生のなかには何かあったときに「どう言ったらいいかわからない」とか、判断ができなくて黙ってしまう方もいます。でも、繰り返し経験を積むことで、解決できることもあります。受入れて感じるのは、素直で応援したくなる人が多いということ。「困難なことがあっても逃げないで、一緒にがんばっていこう」と、小さな成功を感じられる機会をちょっとずつ、つくるよう意識しています。そうする中で、お互いに向き合い、コミュニケーションをとって、言いにくいことも言い合って、将来の話なんかもしたいと思っています。 親御さんにも安心して、まかせてもらえるような会社でありたいとも思っています。一度、インターン生の親御さんが、お菓子をもってお礼に来てくださったことがありました。インターン生の成長を見守る、親御さんの気持ちを感じました。Aさんと一緒に仕事をしていても、Aさんの将来や親御さんのことを考えます。当社としても、長い目で、5年後も10年後も一緒に仕事ができたらと思っています。インターン生やAさん、我々スタッフ、そして会社も一緒に成長できる関係を築いていきたいです。
- Q.職場実習の受入れをする中でよかったことや、周囲の変化などありますか?
よかったことは、社内の定型業務の整理や業務の効率化ができたことです。データ入力のような「ちょっと時間があればできる業務」は切り出せば結構出てきます。そんな業務の中で、急ぎでないものは、Aさんにお願いするようにしています。Aさんの得意を活かした仕事になり、かつ、スタッフが他の業務に専念する時間をつくれます。 周囲の変化は、複数の部署で受入れることで、全社として障害者雇用への意識が高まったことです。実際に現場のスタッフがやりとりをして、必要な配慮や工夫を知ることができました。当社は年賀状印刷の時期になると、短期のアルバイトでたくさんの人が入ってきます。発達障害のある方を受入れる際の工夫は、短期アルバイトの方々に指示・説明する上でも役立っています。
- Q.受入れにあたっての将来像や今後の方針などお聞かせください。
Aさんですと、勤務時間も日数を増やしていきたいです。その中で、業務を増やし、私とAさんとのコミュニケーションだけでなく、他のスタッフとコミュニケーションする機会も増やしていきたいです。安心して働ける環境を整えていかないといけませんね。 新しい受入れですと、データ入力以外でも検品・梱包、イラストレーターを使ったフォトブック(pimory)作成の仕事があります。マッチする方がいらっしゃれば受入れていきたいです。スキルを求めたい業務もありますが、一番大事にしたいのは、当社の経営理念を共有して一緒に頑張るという想いです。何事もあきらめず一生懸命な気持ちがあれば、どんな業務でも一緒に乗り越えていけると思います。スキルは入ってから高めて、成長していけばいいので。
企業・団体名 | 株式会社グリーティングワークス |
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所在地 | 〒550-0004 大阪市西区靱本町1-5-6 本町辰巳ビル4F |
HP | http://www.greetingworks.com/ |
事業概要 | 「100%message」をコンセプトに、インターネットを通じて人と人をつなげるサービスを展開。インターネットで簡単に挨拶状・はがきが作成できる「挨拶状ドットコム」の運営。写真にスマートフォンをかざすと動画が楽しめる「ピモリー事業」(http://www.pimory.com/)が主な事業。 |