求めるのは、マニアックな職人気質

企業・団体名:有限会社オフィスミックス
http://www.officemiks.com/

代表取締役の飯田みつるさん顔写真

「今のご時勢、マニアックなことでも仕事になりますから、周りの声は気にせず、好きなことをやってください。」そう語ってくださったのは、Webベースのシステム開発を事業とする有限会社オフィスミックス。2014年度より、プログラミングやウェブの仕事を希望するインターン生の受入れを開始しました。受入れにあたってどのように考えているのでしょうか。代表取締役の飯田みつるさんにお話をうかがいました。

「障害だから」という考えは全くありません。

Q.実習・インターン受入れに取り組むきっかけや目的はなんですか?

少しでも景気が上向いてくると、プログラマーってすぐに足りなくなるんですよ。プログラムを書けるスキルがあれば、別に喋らなくてもいいんですよね。一つのものに夢中になり、のめりこむように勉強していく人はプログラマーに向いています。発達障害のある方の中には、プログラムが書ける方もたくさんいらっしゃるんじゃないかって思ったんですよ。それじゃあ一度、うちでトライしようかという形で、カチカチとコードを打ってもらうようになりました。今まで、4回受入れています。

Q.実習・インターン生の仕事内容はなんですか?

システムづくりやプログラミングですね。結構専門的な仕事ですよ。Webサイトであれば、デザインが関わるような外見の部分ではなく、見えない後ろの仕組みの部分をプログラミングしていただいています。たとえば、ショッピングサイト。商品を買うためにログインした人をデータベースと照らし合わせ、商品が登録してあるシステムを引っ張り出す。そんな仕組みが動かなければそのショッピングサイトは成り立ちません。そういったシステム部分のプログラミングをやっていただいています。 プログラムを書ける人というのは、算数的な思考の人たちなんですね。右脳か左脳かでいうと、左脳派でしょうか。ある程度の基礎があれば仕事のやり方自体はすぐに覚えられるので、ベースとなるプログラミング言語の実力がきちんとあればプログラマーとして働けます。デザインや企画などの業務と違って想像力は全くいらないので、一つのことをとことん考えるのが好きな方にはとてもやりやすい仕事です。プログラミングは、完成に向けてこつこつ組み立てていく作業、つまり職人芸なので。

Q.受入れをしている中で、難しかったことはありますか?

発達障害のある方は、取り組んでいる内容のコア部分を把握するのが苦手なように見えます。細かいところはよく質問してくるのですが、問題の根本となっている「ここを質問すれば全て解決するのに」というところには触れてきません。プログラミングのことは大体インターネットに出ているので、検索すればわかることもたくさんあります。でも、調べた上でわからないところを長時間かけて更に調べて、解決策が出ないままなんてこともありました。 発達障害のある方は、「難しいところは先輩のプログラマーに聞き、簡単なところは自分で調べる」という判断のさじ加減が少し苦手なようですね。「ここがわからなかったからできなかった」と言ってもらえれば適確な指示ができるのですが、わからないところを放置したまま次の仕事に取り掛かられてしまうと、できていない点を先輩や上司が見つけなければいけません。今は、一つのプログラムをチームで分担して作り上げていくので、一つのパートが7割くらいで放置されていると統合する人間は非常に困るんですね。

Q.受入の際に工夫・配慮・大切にしていることはなんですか?

それがね……「障害だから」という考えは全く持っていないですね。仕事の内容が、普通のものと違って専門的なので。役割ごとに分業するアニメーターのような感じで、自分のパートを仕上げてくれさえすればいい話なんですよ。職人さんって、生真面目で物静かで、淡々と仕事をこなすじゃないですか。プログラマーも一緒で、頼まれたコードをカチカチ打って期限内にできればいいだけの話なんです。当社は、論理的思考でマニアックな人ばかりいるので、そういう方には向いている職場だと思います。社交辞令的な会話……たとえば「今日元気?」みたいな会話は1%もありません。これは配慮ではなく、自然とそうなっている感じですね。

周りの声は気にせず、好きなことをやってください。

Q.職場実習の受入れをする中でよかったことや、周囲の変化などありますか?

先ほども言ったように発達障害のある方は、問題の本質を捉えるのが苦手なところがあるので、あいまいに指示していては、伝わらないこともあると気付きましたね。誰にでもきちんと伝達できるように、丁寧に話すようになりました。と言っても、言葉尻が丁寧になっただけですが。(笑)

Q.受入れにあたっての将来像や今後の方針などお聞かせください。

障害のあるなしに関わらず、当社はプログラミングができる人を望みます。当社は障害者雇用に対し、ボランティアや社会貢献などと高尚な考え方は全く持っていません。戦力を確保するための一つの門だと思っています。プログラミングに興味が少しでもある方は、どんどん門を叩いてほしいですね。

就職活動に取り組む皆さんへ

jae_face01 プログラミングが好きなら、そればかりやっていれば今の時代ちゃんと仕事になる。だからどんどん引きこもってやってもいいと思います。技術者の98%は、「友達がパソコン」のようなものですから。好きなことをやっていれば、社会がネガティブに思うことも、ポジティブに転換できると思います。今のご時勢、スマートフォンやパソコンを使っていない人はほとんどいません。その人たちがいる限り、内部のシステムを作る人は絶対必要なんです。マニアックで専門的なものでもビジネスになります。周りの声は気にせずに、ご自身の可能性を感じるような、好きなことをやってください。
オフィスミックス社内の様子
企業・団体名 有限会社オフィスミックス
所在地 〒550-0004 大阪市西区靭本町1-13-13 カワコシビル3F
HP http://www.officemiks.com/
事業概要 WEBベースのシステム開発を主な事業として2000年設立。その後、ケータイ関連のシステムを手がけ、現在ではスマートフォンアプリも作成。東京支社では各分野のアーティストやクリエイターを中心として構成され、多種多様なデザインニーズにも対応。徹底した合理化とグローバルな体制でシステムの開発を行っている。

インタビュワーの感想

インタビューと記事編集を担当した就労移行支援事業所エンカレッジ京都のZさんより

「プログラマーにとって太陽は敵です」。飯田さんから繰り出される業界の話はとても面白く、また社交的でない私を元気付けるものでした。人と上手く会話しなければ成り立たない業種もあれば、パソコンと対話できれば仕事になる業種もある。もちろん、人と関わらずに済む仕事というものはありません。しかし、人間関係を最優先にせずとも社会に身を置くことはできる。この事実は、人との関わり方に悩みがちな発達障害のある人にとって、大変勇気付けられるものだと感じました。