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ジョブジョイントおおさかってこんなとこ

【執筆者】星明 聡志
北摂杉の子会ジョブジョイントおおさか 所長

 

はじめまして。
ジョブジョイントおおさかの星明(ほしあき)と申します。

初のブログです。
ご覧になられているみなさんに、少しでもお役に立てるような内容になれば…と思いつつ、今回は私の職場「ジョブジョイントおおさか」についてご紹介したいと思います。

ジョブジョイントおおさかは、ASDのある方に特化した就労支援機関です

ジョブジョイントおおさかは、社会福祉法人北摂杉の子会(理事長:松上利男)が運営する障がい福祉サービスを提供する事業所です。
「自閉症スペクトラム(以下、ASD)のある人と職場をつなぐ」を運営方針とし、自閉症支援を活かし、一人ひとりに適した就労・社会参加を支援することを目指して運営しています。

事業所の場所は、大阪市淀川区十三と大阪府高槻市の2箇所。就労移行支援と自立訓練という福祉サービスを行っています。
2つの事業所の詳細については、ホームページ等でご覧いただければと思いますが、ざっくり言いますと、両事業所合わせて70名近い方がご登録されており、その70名の方は全員ASDのある方々です。
リンク:→社会福祉法人北摂杉の子会 ジョブジョイントおおさかHP

当事業所を利用されているASDの方のことを少しご紹介すると、ご登録をしている方の9割は今まで一度も働いたことのない方で(短期の郵便局のアルバイトなどはしたことあるようですが…)、全体の7割が20代の方々です。

そんな方々の主訴や思いとしては、「自分の得意なこと・苦手なことがよくわからない」「就職への具体的なイメージがわかない」「いろんな経験をしたい」「いろんな会社でインターンシップ(職業体験)をしたい」「いずれは社会の役に立てるようになりたい」などが多く、「自分のことを少しずつ知りながら自分なりの働き方を探したい」と思っている方が多いです。

そんな方々の思いをサポートするために、私は日々ジョブジョイントおおさかで仕事をしています。

当事者と一緒になって、いろんなアイデアを出しながら就職に向けた準備をします

ASDの障がい特性は、目に見えないことも多く、私たち支援者から見てもわかりにくいこともありますが、それはご本人・ご家族にとっても同じです。そのために就職活動がうまくいかなかったり、生きづらく感じたりする方が多いように思います。

また、自分自身で特性を客観視すること・特性上うまくできないことや苦手なことを自分なりに把握していくこともなかなか難しいようです。
なので、私たち支援者は、一人ひとりの特性や得意・苦手などについてできるだけ知るように努めます。そして、就職する上で練習しておいたほうがいいことや、苦手なことをカバーするための工夫や対処の方法を考えるなど、彼ら・彼女らと一緒になっていろんなアイデアを出しながら就職に向けた準備をしています。

ジョブジョイントおおさかでは、毎日さまざまな就労準備プログラムが行われており、オフィスワークや「トライワーク」(軽作業や清掃などを行う活動)といった作業活動以外に、自分を知る勉強会・就活実践講座・ライフスキル倶楽部などグループワークやロールプレイを通して学ぶプログラムも行っています。

また、日々の就労準備プログラムとは別に、企業でインターンシップをするプログラムもあり、当事業所を卒業して就職した45人の人たちのほとんどは3〜5社のインターンシップに行き、いろんな会社での経験を積んでいます。

またそれとは別に、工場見学・企業見学・先輩のはなし・企業実習報告会など、不定期に開催される特別プログラムも用意しており、就職するまでにたくさんの経験をしていただけるよう努めています。

ASDの障がい特性は、社会性・コミュニケーション・想像力やこだわりの3つが主な特性と言われています。特に、想像力やこだわりの特性では、「目に見えないことを理解することが難しい」と言われていますが、逆に言うと、経験したことはよく覚えていたり、目で見て理解することがとても得意だと言えます。

そのため、たくさんの経験から一人ひとりにとって得ること・役に立つことは多くあります。たくさんの経験を通して自分なりの「人生の歩み方」を少しずつ考えながら自己選択していってもらえるといいな〜と思っています。

「自分らしく生きる」ことを目指して

ジョブジョイントおおさかは就職することをご本人と一緒に目指して取り組んでいますが、就職はゴールでありスタートでもあります。

就職後は「長く働き続けること」「自分らしく働くこと」はがとても大事なテーマとなります。
健康管理に気をつける、休憩や休日は頭を切り替えてリフレッシュする、困ったときは我慢せずにちゃんと相談するなど、働き続けるために必要なスキルはいろいろとあり(これらをライフスキルと私たちは呼んでいます)、これらを就職活動のときから意識しつつ、就職に向けた準備をしておくことも必要に思います。

なんだか、こんな話をしていると、「働くことは大変なこと」「社会は厳しい」と思えてしまいますね……。
でも、そんなことはありません!

エンカレッジやジョブジョイントおおさかのような、仕事や生活のことについて相談に乗ったり、必要に応じてサポートする人がいれば、無理せず自分なりに働くことができると思います。
身近に、自分のことをちゃんと理解してくれる人がいれば、人は誰でもイキイキと働くことができますし、自分らしく生きていくことができると思います。

「自分のことを少しずつ知りながら働くこと」
そんなことを大切にしながら、ジョブジョイントおおさかとしてお手伝いできることを日々邁進していきたいと思っています。

 

【星明 聡志】
社会福祉法人北摂杉の子会ジョブジョイントおおさか、所長(2014年より現職)。 学校を卒業後、障がいのある人の地域生活支援の仕事をして10数年。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援など、ライフステージごとの色んな支援に携わってきた。最近は、「ASDのある人の自分らしい働き方・生き方をデザインすること」を自分のテーマとし、型にはまらない生き方の良さを創造しようと日々奮闘中。ライフワークとして楽しみながら働くことをモットーとしている。 趣味は、登山、散歩、読書。1時間近く半身浴しながら読書することが日々の至福のひと時。今年は、北岳、仙丈ヶ岳、槍ヶ岳への登頂を目標に、マイペースにトレーニング中。

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