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インターンシップの良さ

【執筆者】星明 聡志
北摂杉の子会ジョブジョイントおおさか 所長

 

学生の就職活動や障がい者雇用において、よく出てくるインターンシップ。
今日は、その良さについて書いてみたいと思います。

インターンシップの目的・期間

インターンシップ(internship)とは、特定の職の経験を積むために、企業や組織において労働に従事している期間のことで、職場実習、体験実習などと言われることもあります。

1カ月や数カ月といった長期間もあれば、1週間などの短期間もあり、最近は1日だけのインターンシップも目立つようになってきています。

インターンシップに参加するメリット

インターンシップは、人によっていろんな良さを感じることができると思います。

アルバイトなどの働いた経験が少ない人にとってのメリット

✅ 働くということを具体的にイメージできる
✅ 実際の業務を知ることができる(必要な資格やスキル、難易度など)
✅ 職場の雰囲気を知ることができる

など、「社会人になって働く」ということについて、実体験でリアルに感じることができるように思います。

何度かインターンシップに行った人にとってのメリット

✅ 業界を研究できる
✅ 希望の業界・職種が自分に合っているか確かめることができる
✅ どんな職場環境が働きやすいかを考えやすくなる

など、他社でのインターンシップやアルバイトなどの経験などと比較することで、より考えが深まりやすくなると思います。

インターンシップの機会を得るには?

ただ、インターンシップは、あまり多くの機会があるわけではなく、学生やご本人自らがインターネットなどを使って探す必要もあります。

⏩ 大学のキャリアセンター
⏩ ハローワーク
⏩ 就労移行支援事業所
⏩ しごとフィールド(大阪)
⏩ 若者サポートステーション
⏩ インターンシップの情報サイト
⏩ リクナビ・マイナビ等の求人情報サイト

主には、上記の場所にインターンシップの情報は集まっているかと思います。
利用したことがある場所で、一度聞いてみることをおすすめします。

インターンシップの経験を就職活動に活かそう

さて、インターンシップについては、私の職場であるジョブジョイントおおさかでも障害のある人への職業訓練としてインターンシップの機会を提供しており、1人あたり3〜5社の企業へインターンシップに行ってもらっています。

以下は、インターンシップに参加したご本人の声です。(代表的なもの)

具体的な業務内容を知ることができた
業務のレベルや難しさ、自分にできそうかを知ることができた
・社内(部署)の職場環境や雰囲気を知ることができた
どんな人と働くのかを知ることができた
通勤時間や労働時間に対する疲労度を知ることができた
自分に合っているか、働き続けていけそうかをイメージすることができた

参加されたご本人は、初日の緊張や不安はあるものの、インターンシップでの実体験を通して、自分なりに再確認できたり、就職活動を進める上でのヒントを得たり、「うまくできた!」と自信が持てたりしているようです。

インターンシップで意識したいこと①:自己理解(自己分析)

また、インターンシップが少しでも充実したものになり、今後の就職活動に役立つことができるよう、以下のことにも取り組んでもらっています。

✅ インターンシップの期間中は業務日誌を書く
(良かったこと、難しかったこと、勉強になったことなど)
✅ 目標を事前に考えておき、期間中は日々意識して仕事に取り組む
✅ インターンシップ終了後は、期間中に感じことを支援者と振り返る

これらはワークシートで取り組めるようになっていて、ご本人に書いてもらった業務日誌やワークシートを見ながら面談で支援者と振り返り、今後の就職活動の進め方を確認するようにしています。

インターンシップは、就職活動を進めて行く上で、自分の中の「働くイメージ」を具体化するだけでなく、自己理解(自己分析)にもとても役立ちます。

例えば、自分はパソコンを使った仕事が向いていると思っていても、いざインターンシップで取り組んでみると思ったように業務がうまく進められず、それよりもパソコン業務の合間に取り組んだ封入、会議資料の準備、会議室のセッティングや清掃など、手先や体を動かす仕事も合っていると感じた、などということはよくあることです。

インターンシップで意識したいこと②:目的

また、インターンシップに行く際は、目的を明確にしてから行くこともおすすめしたいと思います。

✅ どんな企業に行くか
✅ どんな仕事を体験するか
✅ 就職活動の前に、どんなことを確かめておきたいか

上記のように、インターンシップでどんなことにチャレンジしたいかなど、自分なりに考えを整理してから参加すると、より充実した期間になると思います。

以前、自分を知る「じぶん学」のチカラでも書いた《職場環境との相性って大切》でも紹介しましたが、ジョブマッチングシートは希望する職種や職場環境についてひと通り書けるようになっています。

ジョブマッチングシート
ジョブマッチングシート(クリックで拡大します)

インターンシップに行く前に、もしくはインターンシップ後の振り返りの際に、ご参考にしてもらえればうれしく思います。

インターンシップの最大のメリットは、実際の職場で体験ができること

就職活動は、ハローワークやインターネットなどの情報サイトで企業情報を探し、他社と比較しながらどこに応募するか検討していくものです。
ただ、公開されている企業情報は特定のことしか書かれておらず、仕事の具体的な中身、職場の環境や雰囲気、所属長や同僚など職場の人の考え方や人柄などの見えない情報が多いのも事実です。

それに比べ、インターンシップでは、実際の職場で体験実習ができるため、自分に合っているかどうかを肌で感じ、確かめることができます。
これが、最大の良さだと思います。

できるなら、たくさんの会社でインターンシップを経験し、他社と比較する中で自分に合う職場を探せるといいと思います。
そのほうが、きっと自分に合った職場を探しやすくなり、少しでも長く働けるように思います。

 

【星明 聡志】
社会福祉法人北摂杉の子会ジョブジョイントおおさか、所長(2014年より現職)。 学校を卒業後、障がいのある人の地域生活支援の仕事をして10数年。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援など、ライフステージごとの色んな支援に携わってきた。最近は、「ASDのある人の自分らしい働き方・生き方をデザインすること」を自分のテーマとし、型にはまらない生き方の良さを創造しようと日々奮闘中。ライフワークとして楽しみながら働くことをモットーとしている。 趣味は、登山、散歩、読書。1時間近く半身浴しながら読書することが日々の至福のひと時。今年は、北岳、仙丈ヶ岳、槍ヶ岳への登頂を目標に、マイペースにトレーニング中。

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