ポジティブな言葉に注目して自信をつける
【執筆者】星明 聡志
北摂杉の子会ジョブジョイントおおさか 所長
皆さん、こんにちは。
新年早々、仕事始めに風邪を引いて職場に迷惑をかけてしまった星明です。
年末年始休みは、かなりのぐーたらで本当に何もしていなかったのですが、仕事が始まった途端に高熱が出ました。
なんででしょうかね…。
インフルエンザではなかったのでよかったのですが…。
身体が資本。大事にしないといけないですね。
さて、私のくだらない話はこれくらいにして、今回は「自信をつける」をテーマに考えてみました。
皆さんは自信をつけるために何かやっていることはありますか?
自信をつけるためにどうするべきか
私の職場であるジョブジョイントおおさかでは、十三と高槻の事業所トータルで約80名の登録があり、就職者は100名以上います。
その180名の人たちは、就職に向けた訓練や就職先の仕事を一生懸命がんばっておられますが、「自信が持てない」と自分なりに感じる人も多くいらっしゃいます。
自信の持ち方は人によって様々ですが、心配や不安なことが気になる、過去の失敗経験が忘れられない、完璧主義で完璧を追求してしまう、他の人と比べてしまうなど、いろいろなことが気になって自信が持てないようです。
発達障害の特性から考えてみると、「見えないことをイメージすること」は苦手な分野です。
そのため、イメージしやすい過去の経験や記憶に残っているネガティブなことのほうが頭の中で考えやすく、気になりやすいです。
本当は、この先のこと(将来)を肯定的にイメージしていけるとよいのですが、経験したことのないことを「肯定的にイメージする」、「成功体験としてイメージする」のは難しくで、他の人からのアドバイスもピンとこないことが多いようです。
自信とは、辞書では「自分の価値・能力を信ずること」、「自己を信頼する心」と書かれています。
難しい内容ですね…。
簡単に言うと、「自分を大切にする」ということでしょうか。
もう少し具体的に考えてみたいと思います。
ポジティブな言葉に注目してみましょう
周りの目を過度に気にしない
まず、特性としては「見えないことがイメージしづらい」です。
見えないことって実はたくさんあって、未経験なこと、自分の他者評価、客観視、曖昧なこと、人の心の中など結構いろいろあります。
特に、他者評価や客観視など、自分の言動や立ち振る舞いが他の人にどう見えているか、もしくは他の人がどう感じ・考えているかをイメージするのは、難易度が結構高いかと思います。
これは、発達障害の有無に関わらず難しいテーマでもありますが、イメージしづらいということは「気にしなくてもいい」と解釈することもできます。
でも、なんでも自分の都合のよいように解釈することはリスクがあります。
判断としては、「他の人、周囲の人に迷惑がかかっていないこと」をポイントとし、心配や不安なこと、過去の経験などをできるだけ気にしないようにしてみるとよいかと思います。
ポジティブな言葉で日記を書く
自信が持てない人は、ネガティブな言葉を多く使います。気になることがあると、より一層ネガティブな言葉を多く使い、ある意味クセになっています。
ポジティブなことやうれしかったこと、ちょっとした幸せなどは、ネガティブな記憶に上書きされてしまうため、意識的に思い出し、書き残して記憶に留める工夫が必要です。
実は、私も去年から始めたのですが、毎日簡単な日記を書いています。
日記というよりは、メモみたいな感じです。
毎朝、昨日あったことを思い出して日記(手帳)に書き、できるだけポジティブな振り返りを心がけています。
よかったこと、うれしかったこと、感謝の気持ちなど、前向きになれる言葉を選んで書き込み、自分なりにがんばったことを自分で肯定的に認め、日々頑張れるよう努めています。
そのほうが、嫌なことがあっても、毎日元気に頑張れるかな…と思って、なんとか続けることができています。
それに、私も視覚優位が強いので、書くことで見える化すると分かりやすく、ポジティブなインプットになっているように思っています。
ポジティブな言葉で書き出すことがポイントですね。
ポジティブな言葉とは
『ありがとう、うれしい、元気、楽しい、ラッキー、面白い、明るい、きれい、できる、なんとかなる、まぁいっか、ツイテル、満足、リラックス、気分爽快、ホッとする、素晴らしい、しゃーない、心地よい、キュート、美味しい、すばらしい、気分爽快、上手くいく、たいしたもんだ、やればできる、なるようになる、すごい、どうにでもなる…。』
このように、書き出すとキリがないですね。
でも、逆に言うと、まだまだたくさんの言葉があるってことですし、ポジティブな言葉は前向きになれたり、プラスな気持ちになれたりするものです。
日々の意識づけ、周囲を気にせずポジティブな言葉に置き換える、日記に書き出すなど、使い慣れることから始めるのもいいかもしれませんね。
心理学には、ネガティビティ・バイアスという言葉があるそうです。
これは、ネガティブな出来事に対して過剰に反応し、強く記憶に留める傾向を指すようで、私たちが生き延びるために存在するものでもあり、潜在的な危険や害となるものに注意を払い、記憶に留めて回避することを促すためです。
ネガティブな言葉を使うことは、ある意味生きていく上で自然なことですが、強く記憶することで忘れられなかったり、過度に気になってしまうデメリットもあります。
自分を守り、自分のことを大切にするには、ネガティブな言葉もポジティブな言葉もバランスよく必要ですね。
でも、ポジティブな言葉は忘れてしまいがちです。
意識的に思い出し、見える化して、自分を大切にしていきたいですね。
【星明 聡志】
社会福祉法人北摂杉の子会ジョブジョイントおおさか、所長(2014年より現職)。
学校を卒業後、障がいのある人の地域生活支援の仕事をして10数年。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援など、ライフステージごとの色んな支援に携わってきた。最近は、「ASDのある人の自分らしい働き方・生き方をデザインすること」を自分のテーマとし、型にはまらない生き方の良さを創造しようと日々奮闘中。ライフワークとして楽しみながら働くことをモットーとしている。
趣味は、登山、散歩、読書。1時間近く半身浴しながら読書することが日々の至福のひと時。今年は、北岳、仙丈ヶ岳、槍ヶ岳への登頂を目標に、マイペースにトレーニング中。
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