新型コロナの影響で就活が不安な障害学生が、今やるべき3つのこと(2)
【執筆者】かめたーとる
【プロフィール】
ADHD当事者。大学でのキャリア教育や就職活動支援、企業での障害者雇用の研修講師を務める。
「新型コロナの影響で就活が不安な障害学生が、今やるべき3つのこと(1)」の続きになる。新型コロナウィルスの影響で激変する就活環境で、今何をやるべきなのか、続きを書いていきたい。
就職活動を行っている障害学生が今すべき3つのこと
(2)就職活動準備を着々と進める
就職活動の準備は着実に進めておこう。web説明会やweb面接がいつ行われるのか分からないからだ。
「当たり前のことでは?」と思うかもしれないが、就活中の学生の様子を聞くと、やっていない人が意外と多かった。
それは何故かと考えると、人との接触の少なさだろう。友人などと直接話す機会も減ったであろうし、大学のキャリアセンターも閉鎖しているところが多い。リアルの就活イベントやセミナーもほとんど中止になっている。そんな時に何をすればいいだろうか。
まずは、就職活動仲間か、支援者を見つけよう。1人で孤独に就職活動を進めることは難しい。一緒に助け合う仲間か、サポートしてくれる人が必要になる。
一緒に助け合う仲間がいれば、定期的にオンライン会議をして近況を伝え合う。また、支援者がいる場合も定期的に話をすることで、就職活動を進め続けることができる。なお、大学のキャリアセンターの様子を聞いていると、リアル面談はできなくても、電話面談、オンライン面談ができるところが増えているようだ。そのため、オンラインであれば、キャリアセンターで定期的な支援が受けることも可能となってくる。
また、障害者手帳がある場合は、就労移行支援施設を頼るという手段を取れる場合もある。その他、支援を受けるチャンスは多くあるので探してみよう。
(たとえば…発達障害やコミュニケーションが苦手な学生のための就職相談会)
余談であるが、私はフリーランスで仕事もほとんどキャンセルになったので、家族以外と直接会うことがなくなった。途端にサボりそうになるので、
(1)何でも話せる友人と定期的なオンライン飲み会
(2)仕事仲間と定期的なミーティング
(3)プロコーチと定期的な面談
を行うことにした。環境を整えることでサボらず、前に進めるようにしている。
では、具体的にはどんな就職活動準備に取り組めばいいのか。これは、通常の就職活動と大きく変わらない。
✅ 自己分析をすること
✅ 履歴書・エントリーシートのレベルを上げること
✅ 企業研究・業界研究をすること
✅ 筆記試験対策をすること
✅ グループディスカッション対策をすること
✅ 面接対策をすること
などできることは多くあると思う。
時間がある今だからこそ準備しておこう。
(参考:発達障害のある学生向け・これから始める就活対策)
就活準備編 ▶ https://en-c.jp/column/preparation/
就活本番編(1) ▶ https://en-c.jp/column/production1/
就活本番編(2) ▶ https://en-c.jp/column/production2/
(3)成長のために何かを頑張る
最後に、外出自粛環境で逆に絶対にやってはいけないことについて書いておきたい。
それは、毎日をダラダラ過ごすことだ。
大学が講義をどのように行うかは様々だが、遠隔授業になり移動時間が減る、対面授業でもサークルや部活が中止のことが多い。また、飲食店に行く人が減り、アルバイトも大幅に減らされていると聞く。
結果的に、一人で自由になる時間が増える可能性が高い。しかも、外出しにくい状況だ。
そんな自由な時間をダラダラ過ごすことは本当にオススメしない。
その予想外にできた時間で何をするかは、今後の人生に大きな影響を与えるだろう。
自分の成長のために、今しかできないことは何だろうか?
就職活動の準備もしながら、他にも何か頑張ってみよう。
資格の勉強でもいい、自分が興味のある分野を勉強してもいい、何かを作ってもいい、何でもいいので、自分にとって将来的に役に立つ生産的なことを行うのだ。
たとえば私は仕事が空いた時間を、新規の仕事の創出、育児、読書に全て当てている。特に読書は、今までなかなか時間が取れなかったので、時間ができた今だからこそ取り組むようにしている。
大学で忙しい日常を送っているとなかなか時間が取れないことがある。社会人になるともっと時間が取れなくなる。この外出自粛環境は、じっくりと何かを取り組むためにはうってつけのタイミングだ。
何かを頑張った経験は就職活動に活きる。何かを頑張った経験を持つ人は、その頑張りを社内でも発揮できるのではと期待され、就職活動で高く評価されるのだ。
具体的には自己PRの内容などが変わってくるし、頑張った経験があれば、それは面接官に雰囲気で伝わってくる。
コロナウィルスの流行によって障害学生の就職活動も厳しくなってきている。特に2021年卒の学生は就職活動が長期化する可能性が高い。そんな時に、自分の成長になる何かをするかしないかは、自分の自由意志で選択できる。
その差は新型コロナウィルスの流行が終わってからはっきりとわかるだろう。
前回と今回で3つのやっておくことを書いてみた。少しずつでもやっておくと、大きく成長するだろう。
新型コロナウィルスは世界的な大災害だ。コロナウィルスの影響が大きい間にどう振る舞うかによって、コロナ後の人生が変わってくるだろう。
▶ 新型コロナの影響で就活が不安な障害学生が、今やるべき3つのこと(1)
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【かめたーとる】
ADHD(注意・欠陥多動性障害)の診断を受けた当事者。大学卒業後、金融機関を経てベンチャー企業に出向。そこで不適応を起こして逃げるようにフリーランスに。小・中学生対象の塾講師を経て、現在は様々な大学でキャリア教育、就職活動支援の講師をメインに仕事を行なっている。特性上、数々の失敗体験、不適応体験を持つ。発達障害者の就労、ADHDの特性の記事などを担当するはずが、思いつくままに記事を書いている。
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