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新型コロナの影響で就活が不安な障害学生が、今やるべき3つのこと(1)

【執筆者】かめたーとる
【プロフィール】
ADHD当事者。大学でのキャリア教育や就職活動支援、企業での障害者雇用の研修講師を務める。

 

新型コロナウィルスの影響が非常に大きくなってきている。
ついに緊急事態宣言も発動された。

飲食業や観光業をはじめとした多くの業界・個人に対して悪影響が出ている。講師業を中心に仕事をしている私も大打撃を受けている。この影響は数ヶ月、ひょっとしたら数年続くだろう。

新型コロナウィルスの影響は就職活動にも…

就職活動においても様々な影響が出ている。
特に大きな影響として、採用活動の停滞オンライン化の流れがある。

まず採用活動の停滞だが、業績の悪化から採用を中止した企業が増えてきている。また、新型コロナウィルスの流行が収まるまで採用を延期した企業も少なくない。
そのため、採用が一時的にかなり減っているようだ。これは一般雇用・障害者雇用両方に共通する現象だ。2021卒の大学生の就職活動はおそらく長期化するだろう。
特に、実習を伴うことの多い障害者雇用での就職活動は、大きな影響を受けても不思議ではない。

また、採用を継続している企業も、web説明会やweb面接に切り替えるところが増えてきた。
オンラインにすると移動時間が不要で、どこからでもすぐに参加できるというメリットがある。しかし、直接会えないので、意欲や雰囲気がお互い伝わりにくいというデメリットもある。

これらは、ナビサイトが一気に広まった約20年前以来の就職活動の大きな変化だろう。リーマンショックの時に採用枠が減ったり、内定取り消しが行われたりしたこともあったが、それらと比較しても影響ははるかに大きい。

不安が大きい方も多いだろう。ただ、このような大災害があっても、人は必ず立ち上がってきた。明けない夜はないとも言う。
どの程度で収まるのか現段階では見えないが、今を耐えて、先を見据えて行動しておこう。

では、このような状況で就職活動を行っている障害学生は今何をすればいいのか?
ポイントは大きく3つある。

(1)オンラインに対応する
(2)就職活動の準備を着々と進める
(3)成長のために何かを頑張る

就職活動を行っている障害学生が今すべき3つのこと

(1)オンラインに対応する

web説明会やweb面接が増えてきており、また、人との交流もオンラインで行う必要性が増えてきている中で、オンライン化に対応することは重要だ。

オンライン化に対応する

オンライン化に対応するためには、環境面の問題と慣れの問題の2つがある。

✅ オンライン環境を整える

自宅がWi-Fiなどを契約していて、いつでもインターネットにつながることができる方も現在は少なくないだろう。まだオンライン環境を確保できていない方は、早急に何らかのサービスを契約した方がいい。携帯電話のデータ容量では足りなくなる可能性があり、安定性も低い。

このまま新型コロナウィルスの流行が続くと、安定的なオンライン環境があって初めて社会参加できるという状況になる可能性すらある。

また、web面接などを行う場合には、そのスペースが必要になる。イヤホンをしていれば大丈夫、と思うかもしれないが、web面接ではどうしても話さないといけないし、画面の後ろの映り込みも気になる。先日、ある学生に頼まれてZoomで就活の相談に乗っていたら、そのお父さんが半裸で学生の後ろを通過し、微妙な空気になったことがある。
ちなみに、私は最近引っ越した。理由の一つとして、安心してZoomで会話できる場所を確保したかったということもある。以前の家はすべての部屋が開放されていたので、Zoomをすると娘が高い確率で乱入してきたし、深夜にZoomをすると寝ている家族を起こしてしまったからだ。このように、落ち着いて面接を受けられるスペースを確保しておくことは、意外と重要である。

✅ オンラインに慣れる

オンライン環境を整えることができたら、次はオンラインに慣れていこう。
圧倒的に使われているオンライン会議システムであるZoomは使えるようになっておいた方がいい。無料でも1対1なら時間制限なし、3人以上でも40分まで使えるので、Zoomでのコミュニケーションを練習しておこう。

さらに、可能であれば、志望度が低いところでもいいので、web説明会やweb面接は何度か参加しておくことをお勧めしたい。一般雇用が多いと思われるが、障害者雇用でもこれから増えてくる可能性も十分にある。
リアルな説明会・リアルな面接と異なる部分が多いので、web説明会・web面接に慣れておくことで、いざ志望度が高い企業の選考がweb化していた際にも対応しやすい。

わざわざ慣れた方がいいと書いているのには理由がある。私の知人で発達障害がある方が、オンラインがひどく苦手だからだ。これは発達障害特性由来のものかは分からないが、そういう方もいることは事実だ。
ただ、障害の有無に関係なく、いざという時のためにオンラインには慣れておきたい。

次回は、(2)就職活動準備を着々と進める(3)成長のために何かに頑張る、について書きたい。

▶ 新型コロナの影響で就活が不安な障害学生が、今やるべき3つのこと(2)

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【かめたーとる】
ADHD(注意・欠陥多動性障害)の診断を受けた当事者。大学卒業後、金融機関を経てベンチャー企業に出向。そこで不適応を起こして逃げるようにフリーランスに。小・中学生対象の塾講師を経て、現在は様々な大学でキャリア教育、就職活動支援の講師をメインに仕事を行なっている。特性上、数々の失敗体験、不適応体験を持つ。発達障害者の就労、ADHDの特性の記事などを担当するはずが、思いつくままに記事を書いている。

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