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情報を整理する:(1)発達障害のある方のケアレスミス対策

【執筆者】かめたーとる
【プロフィール】
ADHD当事者。大学でのキャリア教育や就職活動支援、企業での障害者雇用の研修講師を務める。

 

ケアレスミス。この言葉に私はどれだけ苦しめられてきただろうか。
ADHDのある私は、小さい頃からケアレスミスが異常に多く、ずっと悩んできた。

😰 小学校では通知簿にいつも忘れ物のことが書かれる
😰 中学校・高校では数学の減点のうちの半分近くはケアレスミス
😰 大学では履修登録を出し忘れ、危うく半期の単位が0になりかける
😰 就職してからは、ケアレスミスで何度も怒られる
😰 フリーランスになってからは、ケアレスミスで何度も仕事を失う

ちなみに、この記事を書いているタイミングでも、大きなケアレスミスをしてしまった。おそらくそこからの仕事はもう来ないから、ミスにより取引先を一つ失い、収入源を一つ失ったことになる。

このように、ケアレスミスは私の人生にとって悩みの種だったし、おそらくこれからも悩みの種であり続けるだろう。

このように、発達障害のある方にとって、ケアレスミスは大きな問題になりやすい。ADHDがある方は不注意性があるので、ケアレスミスに苦しんでいるケースが多い。ASD(自閉症スペクトラム)やLD(学習障害)のある方も、ADHD要素があったり、他の困りごとに集中したりすると、ミスが増えてしまうケースが多い。

🔽 発達障害の特性についてはこちら
(引用元:厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター 養成講座 eラーニング版」)

では、そのケアレスミスをどうしたら減らしていけるのだろうかについて考えたい。私は今でもケアレスミスはあるが、それでも以前よりは大分ミスが減ってきた。ミスを減らすために、どんな工夫をしているのかを書いていきたい。

発達障害のある方のケアレスミス対策

ケアレスミスは、家庭生活・学業・仕事など多様な面で起こる。そのため、どうしても一般論にはなるが、そこはご了承願いたい。

ケアレスミスを防ぐため、私が注意している点は主に3種類(+1種類)だ。

(1)情報を整理する
(2)確認する
(3)体調を整える

(+1種類)については、後ほど記載する。

(1)情報を整理する

発達障害がある方は、何かと「抜けやすい」。朝の歯磨きが「抜ける」、持っていくつもりのことが「抜ける」、依頼された仕事をすることが「抜ける」などが起こりやすい。
私は、よくベルトをすることを忘れて仕事に行く。そして講師業なので、ベルトがないことを隠すためにずっとジャケットを着たまま研修・講義をしている時がある。また、以前は依頼された業務を時々忘れてしまうこともよくあった。

このような「抜け」を防ぐために、情報を整理することが大切だ。
具体的には、「チェックリスト」と「ToDoリスト」を適切に使うことが大切だ。

チェックリストとToDoリスト

チェックリスト

忘れ物など習慣に関するものはチェックリストを使う。
家を出る前の朝の準備、日時・月次の仕事など、定期的に行われる仕事はチェックリストを作ると抜けが減る。

私の仕事は毎日行く場所や内容が異なるので、日時のチェックリストは作っていない。しかし、大学講師の仕事を始めた時は、抜け漏れがないように準備チェックリストを作っていた。その結果、大きなミスは起こりにくかった。

また、出張を伴う案件で私はよく忘れ物をしているので、出張のチェックリストを作っている。仕事柄、出張の際に忘れ物をすると致命的なことがあるので、その対応策である。

発達障害のある方にとって、チェックリストは作ることよりも運用することが難しいようだ。
なぜなら、発達障害のある方の中には定期的に同じことを繰り返すことが苦手な方が少なくないからだ。(発達障害のある方には同じことを繰り返すことにこだわりを持つ方がいるが、そういった方は初めからチェックリストは必要でないことが多い)

チェックリストを運用するためのコツはなんだろうか?私は無理をしないことが大事だと思う。「毎日しないと!」と、考えると負荷がかかる。
自分の中で重要なことに関するチェックリストを、無理なく続けることがポイントだと思う。

ToDoリスト

一方で、ToDoリストは自分がやるべきことを書き留めていくリストだ。やるべきことを書き留めて、できたら消していく。
このToDoリストは紙に書いてもいいし、パソコンで整理してもいい。専用のアプリもある。ポイントは、自分にとって一番使いやすいものを探すことだ。人から「このやり方がいい」と言われても、自分に合わないものはやる必要はない。

私はToDoリストをパソコンのテキストファイルで保存している。そして、思い出す度に更新して、忘れないようにしている。実はそれまでも多くのToDoリストを使ってきたが、私にとっては複雑すぎたので、結局シンプルな今の方法に落ち着いた。

チェックリストについても、ToDoリストについても、どちらであれ自分に合う形を探して情報を整理しよう。そうすることで「抜け」は大幅に減る。

次回は、ケアレスミスを減らすために「確認する」「体調を整える」ことについて書きたい。

▶ 確認し、体調を整える:(2)発達障害のある方のケアレスミス対策

 

【かめたーとる】
ADHD(注意・欠陥多動性障害)の診断を受けた当事者。大学卒業後、金融機関を経てベンチャー企業に出向。そこで不適応を起こして逃げるようにフリーランスに。小・中学生対象の塾講師を経て、現在は様々な大学でキャリア教育、就職活動支援の講師をメインに仕事を行なっている。特性上、数々の失敗体験、不適応体験を持つ。発達障害者の就労、ADHDの特性の記事などを担当するはずが、思いつくままに記事を書いている。

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