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2)発達障害のある2022年卒の学生が今のうちからやっておくべきこと

【執筆者】かめたーとる
【プロフィール】
ADHD当事者。大学でのキャリア教育や就職活動支援、企業での障害者雇用の研修講師を務める。

 

1)発達障害のある2022年卒の学生が今のうちからやっておくべきこと」の続きになる。
1)では発達障害の有無に関係なく就職活動で重要なことを書いた。

では、発達障害のある学生が今のうちからやっておいた方がいいことがあるか?
もちろん、就職活動のテクニックを身につけるなど、やった方がいいことは山のようにあるが、私が思う最も大事なことは、「大学外の障害者向け就労支援の支援者と関係を作っておく」ことだ。

2022年卒の発達障害のある学生が今のうちからやってくべきこと

大学外の障害者向け就労支援の支援者と関係を作るメリット

なぜ、大学外の障害者向け就労支援の支援者と関係性を作った方がいいのか。
前回、BtoBを含めた多様な業界・企業に目を向けることの重要性を書いたが、それと同じだ。
就職活動が厳しいのであれば、応募することのできる企業は広げておいた方がいい。
発達障害があるのであれば、障害者雇用の可能性も持っておいた方がいい。

発達障害があったとしても、障害者雇用は考えていない人もいるだろう。障害者手帳を持っておらず、取得するつもりがない方もいるかもしれない。もちろん障害者手帳を取るかどうかは本人の考え方次第だ。

ちなみに、障害者雇用のメリット・デメリットについては、「障害者雇用での就職活動」 に分かりやすくまとまっている。

その上で、なぜ障害者雇用をあえて書いたのか。それは、発達障害と面接との相性の悪さに由来する。私は仕事で学生の就職活動支援もしているし、企業の面接官を代行することもあるのだが、このコラムでも何度か書いている通り、発達障害のある方は面接と相性が悪いことが多い。
面接ではどうしてもコミュニケーションが必要だ。応募者のコミュニケーションに違和感を感じれば、面接官側からするとどうしてもマイナス要素になってしまう。
もちろん、発達障害と一口に言っても、ADHDSLDのある方で、面接ではあまりコミュニケーション面が問題にならない方もいる(ちなみに私もそのタイプだが、それはそれで入社後に苦労する)。
しかし、ASD(自閉症スペクトラム・旧アスペルガー症候群)の方を中心に、発達障害があると面接で不利になることが多い。

【参考】ADHDとは?その特性と学生への対応のポイント

【参考】SLDとは?その特性と学生への対応のポイント

【参考】ASDとは?その特性と学生への対応のポイント

2015年~2019年のあたりは、少子高齢化による人手不足が叫ばれるようになり、人気企業以外はコミュニケーションの不備に少々目をつぶる傾向にあった。しかし、コロナ禍で採用抑制が始まると、企業側が学生を選ぶことができるようになり、選考の際によりコミュニケーションが重要視されるケースが多くなるだろう。

とはいえ、発達障害の程度の重さや、個人の多様な能力、そして縁によって就職活動は進むので、発達障害があってもうまく就職活動を進められる方もいるだろう。ただ、発達障害がなくても就職活動が厳しくなる環境で、発達障害があると、より就職活動が厳しくなる可能性は高い。

就職活動で選考に落とされ続けると、精神的なダメージが大きい。全ての選考に落ちて、手持ちの企業がなくなると、余計に精神状態が悪化する。そんな時に、障害者雇用を視野に入れておくことは、前向きに就職活動を進めるために効果的だ。

障害者雇用はその性質上、障害者手帳を持っていれば一般雇用よりは採用されやすいことが多い。一般雇用と障害者雇用の両面を見据えて就職活動をしておくことで、折れにくい状態で就職活動を進めやすくなるだろう。

そして、障害者雇用で就活を行うためには、
【1】障害者手帳
【2】障害者向け就労支援の支援者などからの紹介
の2つの要素が必要になる(【2】は、障害のある方向けの採用ポータルサイトを利用するなどすれば不要な場合もあるが)。
【1】【2】とも時間がかかる場合があるので、障害者雇用でいく可能性が少しでもあるのであれば、早めに準備に動いておいた方がいい。

また、障害者向けの就労支援の支援者の方から就職活動支援を受けることも、就職活動を進める上で大きなメリットになるだろう。

【参考】支援機関を探す

繰り返しにはなるが、障害者雇用を活用するかは、本人の選択次第だ。
ただ、このコロナ禍の中では、自分ができる選択肢は広げておくに越したことはないだろう。

 
かめたーとる

【かめたーとる】
ADHD(注意・欠陥多動性障害)の診断を受けた当事者。大学卒業後、金融機関を経てベンチャー企業に出向。そこで不適応を起こして逃げるようにフリーランスに。小・中学生対象の塾講師を経て、現在は様々な大学でキャリア教育、就職活動支援の講師をメインに仕事を行なっている。特性上、数々の失敗体験、不適応体験を持つ。発達障害者の就労、ADHDの特性の記事などを担当するはずが、思いつくままに記事を書いている。

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