「小さなことでも役に立ちたい」その想いをカタチに
🔽 就職者プロフィール
- 名前:先輩Dさん
- 年齢:20代
- 勤務時間:月~金(9:00~16:30)
- 仕事概要:立命館大学 大阪いばらきキャンパスでの清掃スタッフ
- 雇用体系:アルバイト
- 障害種別:自閉症スペクトラム
私の「はたらく」
"「その日来たときよりも美しく」自分なりの信念を持って"
私は立命館大学の大阪いばらきキャンパスで清掃スタッフをしています。キャンパス内や周辺をキレイにするのが私の仕事です。キャンパス内では、ゴミ回収や缶の分別、芝生や草木への散水作業、清掃で使う道具の洗濯などの業務があります。ゴミ回収の際はカートを押しながら大学内のゴミ箱を回ります。一番好きな作業は缶の分別で、回収した缶をアルミ缶とスチール缶に分別し、機械を使って平たくします。キャンパス周辺ではゴミ拾いをしています。最寄り駅から大学までの範囲で5つのエリアがあり、日によってエリアが変わります。現在スタッフは6名。状況に応じて一人で作業することもあれば、チームで動くこともあります。その日の役割分担やスケジュールはスタッフルームのホワイトボードに毎日書かれています。新しい仕事をするときなど「自分にできるのかな?」と不安もありました。でも一人では不安なことでも、仲間と協力して取り組むことで乗り越えられるということがわかりました。<ある日のDさん>
- 07:20
- 通勤(1h)・仕事の準備
- 09:00
- 朝のミーティング
- 09:15
- 大学周辺のゴミ拾い
- 11:30
- お昼休憩
- 12:30
- 施設内のゴミ回収、散水または缶ビンの分別作業
- 16:00
- ミーティング、着替え
- 16:30
- 今日も1日おつかれさまでした!
「その日来たときよりも美しく」これが私のモットーです。清掃作業の拠点となる「クリーンルーム」やゴミ箱、清掃道具は清潔感を保つように心掛けています。また講義中にゴミ回収をする際は、学生の勉強の邪魔にならないように、なるべく静かに作業しています。もともと体を動かすことが好きで、ボーとできないタイプなので、仕事そのものが楽しいですし、自分に向いていると感じています。 仕事を頑張った分、お昼休憩と休日は楽しみな時間です。昼食は学校の食堂を利用しています。ロースとんかつとささみチーズかつがお気に入りで、たまに職場の仲間と一緒に食べています。休日は体を休めることと、趣味を楽しむことのバランスをとって過ごしています。土曜日は映画館や本屋へ行ったり、自転車に乗ったりして楽しみ、日曜日は体を休めてリラックスするようにしています。
今までの道のり
"前に進み続けた先に出会いがある"
- 高校生対象就職支援プログラム
- 京都障害者職業センター
- ハローワークで就職活動
- 1社目入社
- 退職
高校卒業後の半年間、京都府が実施する高校生を対象にした就職支援プログラムに参加しました。ビジネスマナーなど働くために必要なことを学び、1週間の職場実習も2回チャレンジしました。1回目はあられ屋さんで煎餅の選別や洗い物を、2回目は金属加工の会社で部品の検品をしました。その後、京都障害者職業センターの訓練にも3か月間参加し、ハローワークで就職活動をして、面接で採用が決まりました。そのとき就職した会社では、障害者雇用枠での採用は私が初めてでした。採用後もハローワークの方が職場を訪問してくれましたが、ジョブコーチ(*)支援や周囲のサポートはなく、残業も多かったです。最終的に半年経った契約満了のタイミングで退職となりました。
*ジョブコーチ 障害のある方が就労する職場に適応できるよう、業務や環境の調整を行う就労支援の専門家のこと。
- 発達障害者支援センター
- 就労移行支援事業所エンカレッジ京都
- 職場実習
- 採用
再度就職活動を始め、「発達障害者支援センターかがやき」へ相談に行きました。就労移行支援事業所を何件か紹介していただき、その中にエンカレッジ京都がありました。エンカレッジ京都の見学会に参加し、「ここに通いたい!」と思いました。「相談にのってくれる」と感じたからです。その日のうちに利用の申込み手続きをしました。 エンカレッジ京都では就職を目指す仲間と出会いました。月に1回グループワークで行き先やスケジュールを決めて、実際に出かけるプログラム「ソーシャルクラブ」は一番思い出に残っています。他にも支援員と相談する中で自分の可能性を探り、一緒に履歴書をつくって、職場実習にも5社程行きました。「まずは頑張ってやってみよう」という思いでいつも臨んでいました。その内の1社が現在の就職先です。5日間の職場実習と面談を経て採用が決まりました。そのときも迷うことなく就職を決めました。「小さなことでもいいから人の役に立ちたい」という思いがあったからです。親に迷惑をかけたくないという気持ちもあったので、本当にうれしかったです。
ご家族の想い
"一緒に進み続けた就職活動"
息子が高校3年生のときに、将来で頭がいっぱいになり、ハローワークへ何度も相談に行きました。高校まで、息子を成長させたいと特別支援学級ではなく、普通学級を選択してきました。でも、就職を考える段階になって「働く位置につけない」ということに直面し、「やっぱり特別支援学級を選んでおけばよかったのかな」と思ったこともありました。就職活動の末、就職は決まりましたが、サポートがなく、困り事も相談もできずに抱え込んでしまい、最終的に退職となりました。 エンカレッジ京都のことは新聞やインターネットを通じて知っていましたが、「大学生・大卒向けの就労移行支援事業所」という印象が強かったので、息子に合うのかなと思っていました。でも、京都はまだ発達障害に特化した支援をしている機関が少なく、エンカレッジだったら発達障害のいいところを活かす支援が受けられるのではないかと感じました。エンカレッジの見学会が終わった帰り道、息子が「エンカレッジに通いたい」と決めたので、そのまま引き返し、利用の申込みをしました。今でも「運命の出会い」だと言っています。2014年4月から、ほとんど休まず通いました。卒業した今、ソーシャルクラブに行けないことが寂しいようです。同世代の同じ感覚の方々と一緒に出かける経験がそれまでなかったので、楽しかったのだと思います。息子を見ていて、やっと居場所を見つけたんだなと感じました。 実習や就職の話があったとき、「本当に大丈夫なのか」と躊躇したのは私でした。清掃は必ず人がいる環境でしかできません。対人で何かトラブルになりはしないかと不安だったんです。通勤も少し心配しましたが、1時間弱の乗り換えもこなし、トラブルもなく元気に仕事ができ、今のところパーフェクトです。
夢や目標
"元気に長く働き続ける"
前職では半年で退職になったということもあるので、健康で長く働き続けたいです。そのためにも、作業内容や業務量が増えても、しっかりメモをとって覚えて、自立して仕事ができるようになりたいです。他のスタッフとも話をしながら、チームの一員としてこれからも頑張ります。
発達障害に特化した就労移行支援事業所エンカレッジ
発達障害のある方に特化した就労移行支援事業所エンカレッジは、あなたの強みを活かした就職を徹底サポートします。
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