就労移行の利用期限「2年」が意味するもの

初めまして。エンカレッジ京都スタッフの田中です。
昨年のワールドカップラグビーでは、日本チームの大躍進が多くの国民を熱くしてくれました。その余韻が冷めやらない今年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。日本選手の活躍を大いに期待して、また感動をしたいと思います。

さて、就労移行支援事業は利用期限を2年と法律で定められています。2年と聞いて皆さんはどのように感じるでしょうか。今回は社会の変化と福祉サービスの変遷、そして2年の意味を考えたいと思います。

社会の変化と福祉サービスの変遷

福祉サービスの変遷とエンカレッジの取り組み

近年の福祉サービスは利用者個々の希望を実現できるように、目的に合わせて多様に展開されています。戦後長らくは、障害福祉サービスは措置制度と呼ばれるサービス提供体制が中心でしたが、その背景には各種福祉サービスの整備が不十分で、それらの資源に限りがあったため、行政側が限られた福祉資源を必要に応じて、効率的な割り当てを行う必要がありました。

しかし、ダイバーシティという考え方が社会全体に広まるなど、社会を取り巻く環境が激変しています。ダイバーシティを直訳すると「多様性」となり、企業においてはダイバーシティ経営という表現で使われます。性別、人種、国籍、宗教、年齢、学歴、職歴など多様さを活かして国際競争力をつけようとしています。近年は、人種、宗教等だけではなく、性別やワークスタイル、障害者採用などの多様性も積極的に取り入れる動きとなっています。

このような社会の変化や個人のニーズの多様化によって、福祉サービスを利用したい人(すなわち措置の対象者)が施設や事業者を自らの意思によって自由に選べないことは、現代に合わなくなってきました。福祉サービスもそうですが、企業とのマッチングについても、一般雇用か障害者雇用の二者択一的なスタイルだけでは、求職者と多様な人材を確保したい企業側、双方のニーズを十分に満たすことが出来なくなっているのも現実的な問題です。エンカレッジではそのようなニーズに応えるべく、障害の診断や障害者手帳の有無に関わらず、強みも弱みもオープンにし、個性を生かして活躍できる、「ダイバーシティ就活」をスタートさせました。

就労移行支援の利用期限2年が意味するもの

『就労移行支援』は、2年の利用期限が設定されています。「2年」と聞いて皆さんはどのように感じるでしょうか。恐らく長いと感じる方が多いのではないかと思います。
もちろん半年程度で就職される方もありますので、2年をフルに活用する人ばかりではありません。就職までの平均的なご利用期間は概ね1年半あたりでしょうか。

利用開始直後のみなさんは、あまり自分に自信が持てず、出来ていることもたくさんあるのにそれを自分では認められない(良さに気付いていない)方も多く、自己肯定感が持てない方も多いです。
集団生活に馴染めず、周囲から否定された経験を持つ人も多く、自己肯定感の低さはある意味仕方ない面もあります。そのような方も、3ヶ月~6ヶ月を経過するあたりから徐々に変化が見られます。これは自己理解が進むタイミングです。働きづらさを抱えた仲間と共に日々のプログラムに取り組むことによって、じわじわと自己肯定感が高くなってきます。
支援スタッフ、他のご利用者、実習でお世話になる企業の方との出会いは、自分と違う価値観に触れることでもあります。他者を受け入れることが、自身の良さに気付くきっかけになっているようです。
何かこれだけをやれば劇的に効果があるといった特効薬などありません。そういう意味では、日々の活動を地道に行うことが大切です。ボクシングのボディーブローが後から効くように、毎日コツコツ積み重ねていくことが結局一番の近道なのでしょう。

コツコツ積み重ねていく

障害者雇用では配慮事項をまとめて企業に伝えます。もちろんこのことは大切なことですが、ともすると配慮事項は弱みに注目することにもなりますし、強みに着目しにくいということでもあります。
考えてみますとご利用者の多くは相当な期間、配慮事項にまとめる「生きづらさ」「働きづらさ」で苦労されています。2年という期間でその点を変えることが出来るのか?もちろん大きく変われる面もありますが、もともとある難しさを変えるのは大変なエネルギーが必要です。変わった方が良いと思われることにも向き合いながら、強みをより一層伸ばすことの方が、もしかすると大切なのかも知れません。

自己理解を進め、職業適性を知り、仕事に向き合う姿勢を整えるためには、2年は必要な期間なのだと思います。また、期限があるからこそ、主体性が生まれるものではないかと思います。ご利用者の姿勢だけではなく、支援スタッフもいい意味での緊張感を常に持たなくてはなりません。何となく過ごしているとあっという間に2年が過ぎます。そういう意味でこの「2年」は、ご利用者にとっても支援スタッフにとっても、長すぎず、短すぎず、とても絶妙な時間といえるのではないでしょうか。

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