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どうにもならない時にできること

こんにちは、エンカレッジ京都の遠藤です。

今回の記事は、自分ではどうにもならない現状に対してしんどさを感じている人にぜひ読んでほしいなーと思って書きました。
具体的な支援というよりもだいぶ抽象的なお話になってしまいますが、良ければ少しお付き合いください。

さて、皆さんは例えば「どうしてもっと美形に産んでくれなかったんだろう」と親を恨んだり、「あのとき違う学校行っとけばよかったな」と過去の選択を後悔したりしたことはありませんか?

どうにもならない現状

自分にはどうにもならないとわかっていても、むしゃくしゃしてしまったり、悲しくなってしまったり、気持ちの収まりがつかない時ってあると思います。
変えることのできない現実・運命に対して無力感を感じるとき、しんどい思いになるかと思います。

私もそのような辛さを抱えている時期がありました。
そんなときに出会ったのが、ヴィクトール・フランクルという精神科医の方の著書です。

フランクルの言葉や思想は、それまで自分が考えたことの無かったような、はっとさせてくれるものでした。暖かくも厳しく、それでいて私たちを深いところから勇気づけてくれるフランクルの思想を今日は紹介します。

3つの価値

ユダヤ人であるフランクルは、世界的名著『夜と霧』で有名ですが、その中では第二次世界大戦下の強制収容所での想像を絶するような過酷な体験が描かれています。彼の思想は、そのような極限状態の中でも誇り高く生きる人々を目の当たりにして生み出されました。

フランクルは、人間の生み出す価値は3つに分けられると言います。

創造価値

これは、例えば絵を描いたり、彫刻を彫ったり、料理を作ったり、何かを「作る」ことで生み出している価値です。私たちが普段「価値」と聞いたときに思い浮かべるイメージに一番近いものだと思います。

体験価値

これは、美しいものを見たり、楽しい体験をしたりすることによって「美しい」「楽しい」と感じることで生まれる価値です。私たちは何かを作るだけではなく、体験することによってもそこに価値を生み出すことができます。

態度価値

態度価値とは、「変えることのできない運命に対していかなる態度をとるか」によって生まれる価値のことです。
これこそ、フランクルが極限状態の中で見出した人間の究極的な価値であり、いつどんなときも実現することのできる価値なのです。

態度をとる自由と責任


あらゆるものを奪われた人間に残されたたった一つのもの、それは与えられた運命に対して自分の態度を選ぶ自由、自分のあり方を決める自由である

~フランクル『夜と霧』より~


強制収容所の中では、何かを作ることも、楽しい体験をすることも制限されています。しかし、そうした不条理に対して、態度をとる自由だけは残されています。極限の状態にあっても、人は価値を生み出すことができるのです。

不条理な運命に対して、「なんで私がこんな目に」と悲観的な態度をとることもできるし、変えることのできない現実を受け止めて「今自分のできることをやろう」と前向きな態度をとることもできます。

重要なのは、この態度をとる自由だけは、他の誰にも奪われないものであるということです。そして、この自由に対して責任を担うことが人間に課せられた義務であるとフランクルは言います。

態度をとる自由と責任

昔、変えることのできない現実に苦しんでいるとき、私は周りの人に「あなたのせいじゃないよ」「仕方なかったんだよ」と慰めの言葉をかけて欲しいと思っていました。
無力である自分を誰かに肯定してほしいと感じていました。

しかし、フランクルの言葉は、そのような肯定の仕方とは異なります。
彼の言葉は、私たちがいつどんなときも態度をとる自由を持っていること、私たちが無力な存在ではないことを教えてくれます。
同時に、フランクルはその自由を行使する=責任を果たすことを求めるのです。

運命は厳しいものかもしれない。でもあなたがどう態度をとるかはあなたが決められるのだ。だから、あなたが責任を持ってあなたの態度を決めなさい。

そんな風にフランクルは言っているのだと思います。

私は、フランクルの言葉を知ったとき、とても勇気づけられました。
今でも自分の中で大事にし続けている考え方です。
今回の記事でわずかでも興味を持ったり、そういう考え方もあるんだなーと思ってもらえたりしたら幸いです。

ここまで読んでくれてありがとうございました!それではまた!

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