New職場環境との相性って大切

仕事は、1日の時間の多くを占めることもあり、どうせなら働きやすい職場環境でがんばりたいものです。

私は、24人のスタッフがいる部署の管理者をしています。
手前味噌ですが、スタッフは全員本当によく働いてくれています。
スタッフたちは、事業所のビジョン、ミッションや大切にしたいことなどを私と同じように理解して日々の就労支援に従事してくれており、特に当事業所を利用する自閉症や発達障害のある利用者の方のことを何よりも大切にして関わってくれています。
(利用者の方のことを大切にしてくれていることが個人的には一番うれしいのかもしれませんね。)

よきスタッフに囲まれて働ける職場環境は、私にとってとても居心地がよい職場環境で、スタッフに少々無理がかかっても新しいことにたくさんチャレンジさせてくれる理解ある職場環境だと感じています。
…と言っても、スタッフたちは私のことをどう思っているかはわかりませんが…(苦笑)

働く上で、職場環境との相性はとても大切です。
上記の話は一緒に働く人の話、つまりは人的な環境の話でしたが、職場環境をもう少し具体的に考えてみると、物的環境と人的環境に分けて考えることができます。

▼物的環境
立地、作業スペース、音、臭い、明るさ、温度、湿度、休憩場所、物の置き場、業務スケジュールの有無、業務マニュアルの有無、労働条件、諸制度(福利厚生)、など

▼人的環境
職場の人数、年齢層、男女比率、指揮命令系統、人事異動の頻度、文化や雰囲気、など

発達障害のある人は、周囲環境との相互作用によって得意なことや苦手なこと、働くチカラ(生産性やパフォーマンス)などは多様に変化すると言われています。
周囲環境によって、働きやすさは良くも悪くも変化するため、自分に合う職場環境を知っておくことは大切です。

一般的に考えると、発達障害のある人の働きやすい職場としては以下のようなことが考えられると思います。

▼物的環境
・スケジュール等で先の見通しが具体的に示されている職場
・整理統合され、視覚的にも分かりやすい環境
・業務マニュアル、手順書、完成品の提示等、指示内容が明確で具体的な職場
・暗黙のルールが少ない、もしくは暗黙なことをできるだけ明確に示されている職場
・気持ちの切り替えや、クールダウンするための休憩室等がある職場
・音や光、臭い等の感覚刺激に対して個別的に柔軟な対応が検討される職場

▼人的環境
・順序立ててひとつずつ説明(指示)される職場
・肯定的なフィードバックがされる職場
・話すときは、簡潔に短文で、あっさり、はっきり、ゆっくり話される職場
・急かさず、話の腰を折らず、ゆっくりと話を聞いてもらえる職場
・従業員の個別の事情(特性等)を踏まえて、一人ひとりを大切にされる職場

例えばですが、発達障害のある人に「口頭」で業務を指示した場合と、ipadやマニュアル等で「視覚的」に指示した場合とでは、本人の働きっぷりに大きな違いが出ます。
もちろん、後者のほうが指示は伝わりやすく、本人も働きやすいのは明確です。

ただ、世の中にある企業の多くは、「視覚的」に分かりやすく指示をしてくれることは少なく、ほとんどの場合は「口頭指示」で済まされているかと思います。
そのため、上記の働きやすい職場環境は、理想としては考えられるものの、現実として全てを満たす職場はそんなに多くはないのかもしれませんね。

さて、ここでは人的な環境に少し注目してみたいと思います。
上記のように、周囲環境との相互作用によって本人の働きやすさが変化するため、自分にとって働きやすい職場はどんな環境か、特にどんな人がいる環境(人的環境)だと働きやすいかを自分なりに考えておくことは大切です。

仕事を教えてもらい、一人前になっていくには時間がかかることだと思います。
ただ、教え方(指示の仕方)によっては、すぐに一人前になれる場合もあれば、いくら経っても一人前になれないこともあるかもしれません。

視覚的なマニュアル等が整備されていなくても、教える人が発達障害のある人の個々の特性を踏まえて、教え方を柔軟に変えてくれると指示理解は進みやすいです。
そんな従業員の方がいる職場、教え方を柔軟に考えてくれる組織風土があるような職場環境だと、きっと働きやすいように思います。
(もう少し具体的に考えてみると、やさしく教えてくれる人、ゆっくりと話をしてくれる人、ひとつずつ教えてくれる人…、みたいな人が理想でしょうか…)

ジョブジョイントおおさかでは、自分に適する職場環境を考えて就職活動をするために「ジョブマッチングシート」というツールを活用しています。

ジョブマッチングシート
(クリックで拡大します)

このシートは、希望する職種や労働条件を記載する他に、「希望する職場環境」についても自分なりの考えを記載してもらうようにしています。

利用者の方の様子を見ていると、「希望する職場環境」は3〜5社程度のインターンシップを経験することで、記載内容がどんどんと変化していきます。
見えないものをイメージしづらい発達障害の特性は、見たり実体験したりすることでイメージが深まり、考えが変化し、本人なりの納得感が増していくようです。
変化した考えはシートに落とし込み、求人票を選ぶ上での参考にしてもらっています。

働きやすい職場環境は、人によってさまざまです。
世の中にごまんとある仕事から、自分に適した仕事を見つけ、尚且つ働きやすい職場環境を見つけることは至難の技かもしれません。

ただ、完璧を探すことは難しくても、「理想の職場環境」に近い職場環境で働けたほうが望ましいですよね。
そのためには、ジョブマッチングシートに書かれているような職場環境をヒントに、自分に少しでも適する職場環境を探してもらえるとよいように思っています。

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星明 聡志

星明 聡志 社会福祉法人北摂杉の子会ジョブジョイントおおさか、所長(2014年より現職)。 学校を卒業後、障がいのある人の地域生活支援の仕事をして10数年。就労支援に限らず、生活支援・余暇支援・お子さんの支援など、ライフステージごとの色んな支援に携わってきた。最近は、「ASDのある人の自分らしい働き方・生き方をデザインすること」を自分のテーマとし、型にはまらない生き方の良さを創造しようと日々奮闘中。ライフワークとして楽しみながら働くことをモットーとしている。 趣味は、登山、散歩、読書。1時間近く半身浴しながら読書することが日々の至福のひと時。今年は、北岳、仙丈ヶ岳、槍ヶ岳への登頂を目標に、マイペースにトレーニング中。