catchview

就職活動での目標を設定する

【執筆者】かめたーとる
【プロフィール】
ADHD当事者。大学でのキャリア教育や就職活動支援、企業での障害者雇用の研修講師を務める。

 

就活に臨まれる発達障害のある方へ。
『📗 これから始める就活対策~就活準備編~』と題し、5回に渡って書いていきます。

第2回目は「就職活動での目標を設定する」です。
発達障害のある方はもちろん、そうでない方にとっての就活対策のヒントになれば嬉しく思います。

📗 これから始める就活対策~就活準備編~
▶ 働く目的を考える
▶ 就職活動での目標を設定する
▶ 就職活動ではどのような試験が行われるのか
▶ 自己分析のススメ
▶ 長所・エピソードの見つけ方

就職活動における目標を立てて、受ける企業を明確にしておこう

働く目的が明確になったら、就職活動における目標を決めましょう。

世の中には多くの企業があります。
その全ての採用選考を受けることはできません。

そこで、自分の就職活動における目標を立て、自分の受ける企業、受けない企業を明確にしておきましょう。

志望度の低い企業を受ける手間が省け、就職活動を効率化することができます。
また、入社後に「思っていたのとは違う!」となる可能性が少なくなります。

多様な視点からの目標設定

まずは、自分の就職活動における目標を多様な視点で決めてみましょう。
既に自分の中で考えている目標があるのかもしれませんが、一度文字化しておきましょう。
文字化することで、漠然とした考え方をまとめることができます。

また、自分にとって大切な条件がついつい抜けていることもあります。
以下を参考にしながら就職活動における目標を考えてみましょう。

目標の例

業界

お客様に対して、どのような価値を与えている企業に入りたいのか。
(メーカー・金融・IT・流通など)

職種

どんな種類の仕事をしたいのか。
(営業・経理事務・営業事務・プログラマーなど)

仕事内容

どんな内容の仕事をしたいのか。自分の特性とセットで考えましょう。
(参考:→《発達障害と仕事について知る》

給料

月収・年収ベースでどれほど欲しいのか。

休日

年間休日数がどの程度欲しいのか。週に何日働き、何日休みたいのか。

勤務地

どのエリアで働くのか、通勤時間はどれほどまで許容できるのか。

労働時間

フルタイムで働くのか、1日の労働時間数を短くするのか、
残業時間は月間何時間までなら許容できるか。

雇用形態(1)

正社員を目指すのか。契約社員、派遣社員、パートといった契約形態にするのか。

雇用形態(2)

一般企業を目指すのか、障害者雇用を目指すのか。
(参考:→《一般雇用か障害者雇用か》

障害の告知

障害・特性を職場に明らかにするのか(オープン)、職場には伝えないのか(クローズ)
※障害者雇用を目指す場合は必然的にオープンとなります。

時期

いつまでに就職活動を終わらせたいのか。

その他

自分の中で大切にしたい目標があれば書いておきましょう。

なお、「目標は長く働くこと」「就職した会社で活躍できること」など、漠然とした目標が思いつくこともあるかもしれません。

そういう場合は、「具体的にどういう条件であれば達成できるか?」を考えてみてください。

例えば、長く働くことを目標とする場合、

✅ 体力が持たないので、1日の労働時間が6時間以内であること
✅ ○○という特性があるが、仕事の中で問題にならないこと

など、具体的な目標が見えてくるかもしれません。
より具体的な目標とすることで、選考を受けている企業が目標を満たすのか、判断しやすくなります。

重要な目標を整理する

考えた目標の全てにこだわると、対象企業が少なくなり現実的ではありません。
そこで、考えた目標を以下の3つに分けましょう。

▶ 自分にとって必ず満たしておくべき条件(必須条件)
▶ あればうれしい条件(希望条件)
▶ 必ずしも必要でない条件(付加条件)

必須条件を満たしているかを選考に進む基準にして、選考が進んでいく中で希望条件にも注目しましょう。

決まらない場合は条件をゆるめることが必要となるかもしれませんので、そのことも頭に入れましょう。

 

【かめたーとる】
ADHD(注意・欠陥多動性障害)の診断を受けた当事者。大学卒業後、金融機関を経てベンチャー企業に出向。そこで不適応を起こして逃げるようにフリーランスに。小・中学生対象の塾講師を経て、現在は様々な大学でキャリア教育、就職活動支援の講師をメインに仕事行なっている。特性上、数々の失敗体験、不適応体験を持つ。発達障害者の就労、ADHDの特性の記事などを担当するはずが、思いつくままに記事を書いている。

就労移行支援エンカレッジ02 就労移行支援エンカレッジ01