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発達障害のある学生が学業と就職活動を両立するためのコツ(2)

【執筆者】かめたーとる
【プロフィール】
ADHD当事者。大学でのキャリア教育や就職活動支援、企業での障害者雇用の研修講師を務める。

 

発達障害のある学生が、学業と就職活動を両立するためのコツ(1)」の続きである。
発達障害のある学生が就職活動に苦しむのには、3つの理由がある。

1)就職活動時点で単位が多く残っていることが多い
2)発達障害のある学生はそもそも就職活動に苦戦しがち
3)発達障害のある方はマルチタスクが苦手なことが多い

1)2)はとても重要ではあるが、問題の規模がかなり大きい。
そこで、今回は3)のマルチタスク問題に焦点を当てたい。学業と就職活動の両方に取り組むときに、否が応でもマルチタスクになりがちだ。そんなとき、どう対応したら良いのだろうか。

学業・就職活動でのマルチタスクに対応するには

いつもいつもいつもしている話で恐縮だが、一番良いのは「支援者に付いてもらうこと」だ。

支援者に付いてもらう

「お前はそればっかりだな」と思われた方もいるかもしれない。確かに、支援者に応援してもらう重要性ばかり書いているが、重要なんだから仕方ない。
どのような支援を受けられるかによるが、支援者と会話して状況を整理してもらうことで、マルチタスクで起きがちな混乱は収まりやすい。

では、支援者の有無を抜いて、自分で学業と就職活動支援のスケジュールとタスク(やるべきこと)の山にどのように対応すればいいのだろうか。

この辺りは、タイムマネジメントのスキルが非常に参考になる。タイムマネジメントについては、インターネットや書籍で多くの本があるので、興味のある方は調べてみてほしい。

マルチタスクに対応しやすくなるタイムマネジメント

ポイントはいくつもあるが、まずは自分が取り組むスケジュールとタスクを全て書き出してみよう。そして、それらのタスクをさらに細分化してみよう。
両立ができずに頭が混乱する原因の一つに、「自分が何を抱えているのかが見えていないこと」が原因であることは少なくない。
自分のやるべきことを見える化して、手帳とToDoリストなどに落とし込めば、まずは一旦混乱が収まることが多い。

そして次に、自分がやるべきことの優先順位をつけよう。優先順位は基本的に緊急度と重要度で整理する。

【参考】緊急度☓重要度のマトリクスによるタスクの優先順位の付け方

なぜ優先順位をつける必要があるかというと、発達障害の方は、ものごとを全て処理できないくらい抱えてしまうことが少なくないからだ。これは、業務が遅いこともあれば、時間の見積もりが甘い場合もある。ただ、自分が何を優先してやらなければいけなくて、何は最悪やらなくていいのかを明らかにしておくことで、自分が次に何をやるかを見える化できる。
私は、パソコンのメモ帳をToDoリストにしているが、それぞれの業務に緊急度と重要度をつけていて、そこで次に何を取り組むべきかを考えている。まあ、それでも業務は全然間に合っていないのだが、以前よりは業務をコントロールできている。

面倒だな、と思うかもしれない。私も以前は、このようなタイムマネジメントのスキル活用は面倒だと思っていた。しかし、少しずつ取り入れていくことで、頭がスッキリし、多忙な状況の中でも物事に取り組みやすくなってきたのだ。私はパソコンを使ってリアルタイムで管理をしているが、1週間に1度でもスケジュールとタスクを整理する習慣がつけば、マルチタスクにもずいぶん対応しやすくなる。

これらタイムマネジメントのスキルを活用しても混乱が収まらない、やるべきことが多すぎるなどのケースはある。そんな時は、就職活動を絞る、後回しにすることなども最終手段として考えられる。

学生の就職活動は、同時に十社以上進めることが一般的だが、自分の許容範囲の2~3社に絞って進めることも有効だ。それでも難しければ、まずは4回生前期のうちにできるだけ単位を取り切り、後期は卒業論文だけにするということも一つの手だ。

もちろん、これにはリスクが伴う。就職活動にはタイミングがある。募集が多いタイミングを逃すと、だんだんと募集をする企業が減っていく。そのため、就職活動を減らしたり、後送りしたりすることはデメリットも大きい。ただ、卒業できないと、そもそもほとんどの場合内定が出ても就職ができない。
最終手段として、自己判断で必要があれば、選択すればいいのかもしれない。

学業と就職活動の両立は単純ではない。繰り返しになるが、大学を5年かけて卒業した私は、そのことが身に染みて分かっているつもりだ。

ただ、両方やらなくてはならないこと。自分なりのやりやすい方法を見つけて取り組んでいくしかないのだろう。このコラムが、少しでもその参考になるのであれば幸いだ。

 
かめたーとる

【かめたーとる】
ADHD(注意・欠陥多動性障害)の診断を受けた当事者。大学卒業後、金融機関を経てベンチャー企業に出向。そこで不適応を起こして逃げるようにフリーランスに。小・中学生対象の塾講師を経て、現在は様々な大学でキャリア教育、就職活動支援の講師をメインに仕事を行なっている。特性上、数々の失敗体験、不適応体験を持つ。発達障害者の就労、ADHDの特性の記事などを担当するはずが、思いつくままに記事を書いている。

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