「好きなものプレゼン」からはじめる「自分プレゼン」
はじめまして、エンカレッジ心斎橋の仲村です。
今回はエンカレッジのプログラムの中から「好きなものプレゼン」をご紹介します。
不定期に行われるプログラムですが、私はこれが大好きです。
なぜ「大好き」なのか、まとめてみました。
好きなものプレゼンが大好きな理由
「プレゼン」と聞いて「苦手だな…」という方がいらっしゃるかと思いますが、ルールは意外と簡単です。
1)まず結論から話す 「私の好きなものは〇〇です!」💬
2)理由やエピソードを付け加える 「〇〇が好きな理由は…」💬
3)最後にもうひと押し 「だから、私は〇〇が好きです!」💬
以上の流れで、自分の好きなものについて話すだけです。
人前で話すことが苦手な方や、自分の思いや気持ちをなかなか伝えられない方でも、「好きなものプレゼン」では楽しそうに話をされて、とても賑わいます。
私が参加したときも、自分の話ができるうれしさだけでなく、賑わっている様子を楽しむことができました。
それはなぜでしょう。
私は、2つの理由があるからだと思います。
✨ 好きなものについては、話しやすい
✨ 自分の感じていることや考えていることを人に聞いてもらうと、うれしい
「好きなもの」はきっかけとして簡単で誰もが話しやすく、「好きなものの理由」には必ず自分の視点が入ります。
それを人に話して、聞いてもらうことで、自分が相手に受け入れられる感覚があるのではないかと考えます。
話は少し変わりますが、最近読んだ本にこんなことが書いていました。
『そこで得た一番の学びは、自分が感じていることをそのまま言葉にすることの重要性でした。仕事で意見を求められたときも、恋人と映画の感想を語り合うときも、友達に愚痴をこぼしたいときなども、大上段に構えてちゃんとした意見を言おうとかじゃなくて、どんな内容であっても自分が感じていることを正直に言語化するのが気持ちいいし、それによって自分の思考が整理され、様々な困り事の改善に繋がるんだってことをそのタイミングでちょっとずつ学んでいって。』
清田隆之『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』(2021)
この言葉は、「男らしさ」についてインタビューを受けた男性が語ったものです。
彼は社会や文化に関心が高く話題が豊富だけど、いつも「上から目線」だと言われ、話が続かずに周囲とのズレを感じていました。
通院先の医師に困り事を説明するうち発達障害の診断を受けますが、その中で言語化の重要性を知ったということです。
周囲から認められたいと思って、なんでも知っている風を装う。
突っ込まれないように、借りものの言葉で武装する。
仕事関係の人や初対面の人と話すとき、私にもそんな経験があります。
社会的な立場やプライドを守るために「失望されたくない」と考えることも、みなさんあるのではないでしょうか。
一方「好きなものプレゼン」では「みんなにすごいと思われる話をしよう」とか「周りとは違う特別な理由を披露しなくちゃ」など無理して考える必要はなく、自分が感じているそのままの言葉で大丈夫です。
著者は、彼へのインタビューについてこう書いています。
『そんな中で最も強く共感したのは、自分が感じていることを素直に言語化することを「気持ちいい」と表現していた部分だ。(中略)もちろんそれは簡単なことではなく、言語化の習慣や自己表現の言葉、また心理的安全性が確保された空間が必要になってくる。それでもなお、恥ずかしいこともやましいことも全部含めていったん素直に言語化してみると思いのほか気持ちいいし、強ばりや怯えが和らいで楽になるかも・・・・・・ということが伝わるインタビューになっていたらとてもうれしいなと思う。』
清田隆之『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』(2021)
エンカレッジはある程度の心理的安全が確保されている場所です。
特に「好きなものプレゼン」などのグループワークでは、相手の発言を否定せず受け入れることをみなさん意識されています。
人前で話すことや説明が苦手な人ほど、まずは「好きなものプレゼン」をきっかけに、自分の考えを言語化することを体験していただきたいです。
さらに、講座や面談を通して言語化を重ね、自信を持って「自分プレゼン」ができるようになっていただければと思います。
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