発達障害のある方の金銭管理術(1)~なぜ金銭管理が苦手なのか?

【執筆者】かめたーとる
【プロフィール】
ADHD当事者。大学でのキャリア教育や就職活動支援、企業での障害者雇用の研修講師を務める。

 

このブログの多くの記事は私が自由に書いているが、時々は特定のテーマでの記事執筆の依頼がある。その依頼に合わせて記事を書くわけだが、今まではどんな依頼であっても問題なく記事を書いてきた。

しかし、今回のテーマである「発達障害のある方の金銭管理術」だけは、記事執筆の依頼が来た時に頭を抱えてしまった。なぜなら、今も大いに私を苦しめ続けている問題だからだ。

率直に言って私はお金を使いすぎている。私の収入で家族を養い、将来のための貯蓄を行うには節約しないといけないことは分かっている。だが、どうしても使い過ぎてしまうのだ。
過去に様々な工夫をしていること、亀の歩みではあるが収入を増やしていることから、お金の問題は少しずつではあるが解決してきている。

そんな、現在進行形で金銭管理術に苦労している私ではあるが、発達障害があるとなぜ金銭管理に苦しみやすいのか、そして、金銭管理のためにどんな工夫をすればいいのかについてお伝えしたい。

金銭管理

発達障害のある方が金銭管理に苦しむ理由

まず、なぜ発達障害のある方は金銭管理に苦しむのだろうか。それには、「収入が少ない」「出費が多い」という2つの理由がある。

1)収入が少ない

発達障害がある方は全体として収入が低いことが多い。障害者雇用で働くとどうしても給料が低いケースが多くなる。
また、一般雇用でも仕事面で困難を抱えがちであるため、出世できずに給料が低いままであることが多い。残酷ではあるが、間違いなくそのような側面はあると思う。
ただ、このことについては今回のテーマではないので触れない。

2)出費が多い

発達障害のある方は出費が多い。ついついお金を使い過ぎてしまう場合が多いのだ。その理由は特性によって色々だ。

🔽 ADHDがある方の場合

ADHDの特性として多動性・不注意性・衝動性があると言われている。特にお金の使い過ぎと関わっているのは不注意性と衝動性だ。

不注意性が高いと、とにかくミス・忘れ物・落し物が多い。落し物が多いと、買い直さないといけない場合も多い。
例えば、私は雨が降る度に傘を買っている。そして、雨が止むと大体はどこかに忘れるのだ。文房具もボールペンを年間おそらく30本程度無くしている。その度にお金が飛んでいっているのだ。
ただし、私自身は、これはムダ遣いだとは認識していない。私の特性とうまく付き合っていくための”必要経費”だと認識している。
これらまでムダ遣いと考えると、罪悪感が大きくなり、精神的な負荷が大きいため、仕方のない出費だと考えるようにしている。

また衝動性が高いと、欲しいと思ったものを我慢ができず、買ってしまう傾向にある。私は衝動性も高いのだが、御多分に洩れず、ついつい我慢ができずお金を使いすぎる。
私がお金を使いすぎるのは、食べ物・本・セミナー参加だ。美味しそうな食べ物の前では、我慢をしなくてはと思っても、どうしても食べ過ぎてしまう。
また、本も興味があるものはついつい買い過ぎてしまい、私の部屋には読んでいない本(いわゆる積読本)が大量にある。
セミナーは高額なものも含めて、「勉強のため」と言い訳をして参加してしまっている。

🔽 ASDがある方の場合

ASDのある方の場合は、そのこだわりがお金の使い過ぎの原因になることが多いようだ。ASDのある方は特定の分野に対して強い興味を持つことが多い。そして、興味のある分野には際限なくお金を使ってしまう傾向があるようだ。
私が過去に直接聞いた話であるが、あるASDのある方は、とあるアイドルの追っかけに数百万円をつぎ込んでいた。そして、その追っかけのためにかなりの借金をしていることも教えてくれた。その他、プラモデル、アニメ、歴史など、自分のこだわりを満たすための趣味に多額のお金を使ってしまった話を聞いたこともある。

■参考記事:
発達障害の人が「お金の使い方」に困ったときは?ASD当事者が提案するお金と上手に付き合うためのアドバイス
(引用元:ダ・ヴィンチニュース)

このように、発達障害のある方はお金をついつい使いすぎる傾向にある。
しかし、発達障害のある方も社会人として自立していくためには、お金を適切に管理できるようになる必要がある。

では、発達障害のある方はどのようにお金を管理していけばいいのだろうか?
それは次回以後に書きたいと思う。

■発達障害のある方の金銭管理術 記事一覧

▶ (1)なぜ金銭管理が苦手なのか?
▶ (2)金銭管理の原則
▶ (3)浪費をいかに減らすか

 
  • この記事を書いた人
  • 最新の記事
かめたーとる

【かめたーとる】
ADHD(注意・欠陥多動性障害)の診断を受けた当事者。大学卒業後、金融機関を経てベンチャー企業に出向。そこで不適応を起こして逃げるようにフリーランスに。小・中学生対象の塾講師を経て、現在は様々な大学でキャリア教育、就職活動支援の講師をメインに仕事を行なっている。特性上、数々の失敗体験、不適応体験を持つ。発達障害者の就労、ADHDの特性の記事などを担当するはずが、思いつくままに記事を書いている。

発達障害に特化した就労移行支援事業所エンカレッジ

エンカレッジ

発達障害のある人に特化した就労移行支援事業所エンカレッジは、あなたの「働きたい!」をサポートします。
大阪(本町、心斎橋、天満橋)・京都(京都駅、京都三条)の5拠点で説明会の申込み・相談を随時受け付けておりますので、お気軽にご参加ください。

就労移行支援事業所について
▶ エンカレッジ大阪
▶ エンカレッジ心斎橋
▶ エンカレッジ天満橋
▶ エンカレッジ京都
▶ エンカレッジ京都三条
▶ 説明会申込み・ご相談